第19回奈良県医学検査学会

過去6年間の奈臨技生理研究班活動のまとめ一新しい研究班活動を考える一

○吉田秀人 (奈臨技生理研究班)

【目的】
平成14年度から研究班の再編成が行われる.新しい研究班活動を考えるために,過去6年間の奈臨技生理研究班の活動をまとめた.今後の展望も加え結果を報告する.

【対象および方法】
期間は平成8年4月から平成13年12月までの活動を研修会実施数,研修会内容および受講者数を集計し,年度別,個人別,施設規模(会員数)別について解析した.なお,施設規模はA:施設会員数5名以下の施設,37施設,合計会員数111名,B:6-10名,13施設,111名,C:11-30名,15施設,96名,D:31-99名,1施設,50名,E:100名以上,1施設,116名の5群に分けた.

【結果】

6年間に128回の研修会を実施し,受講者数は延べ2329名であった.年度別では平成8年度は研修会実施回数22回,受講者数376名,平成9年度は16回,334名,平成10年度は17回,294名,平成11年度は19回,291名,平成12年度は26回,464名,平成13年度は28回,570名(4月-12月)実施であった(図1).研修形式では,講義が87回,1581名,実技講習は28回,435名,講演会は13回,313名であった.研修内容では心電図関連が78回,1303名,超音波関達が21回,578名,脳神経関連が19回,316名,呼吸関連が7回,87名,その他3回,45名であった.個人別集計について,6年間に研修を受講した人は259名で,1人当たりの研修会受講回数は8.3回でした.年度別では平成8年度に受講した人は123名,平均受講回数3.1回,平成9年度は96名,3.5回,平成10年度は105名,2.8回,平成11年度は89名,3.4回,平成12年度は110名,4.0回,平成13年度は127名,4.2回であった(図2).施設別集計については,平成13年度にはAからEすべての群で受講者が合計会員数に対し100%を越えた(図3)


図を表示するにはこちらをクリックしてください(別ページに図のみ表示されます)


【まとめ】
臨床検査技師を取巻く環境は日々厳しさを増している.逆風の中,目標を見失い,個々の活力の低下が懸念される.初心に帰り個々の技術,知識を高め,経験を積み,個人の技量を高めることが必要と考える.奈臨技生理研究班は研修会を基礎知識の修得,基礎技術の修得,経験の共有,情報交換の場として位置づけ活動してきた.今回の集計からも,その成果が確実に上がっていると考える.新しい研究班に移行しても,これまでの方針で展開し,分野別の定期勉強会をさらに充実させる.最後に,卒後教育環境の不備な施設の会員,1人で検査をしている会員さらに個人会員の方には,奈臨技生理研究班を十分活用していただきたく思います.

連絡先:天理よろづ相談所病院 臨床病理部 (0743-63-5611 内線8528)

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