第34回奈良県医学検査学会を開催にあたり、本学会の開催準備にご協力頂きました理事及び実務員の皆様ならびに学会を盛り上げる多くの演題を御発表頂ける会員の方々に厚く御礼申し上げます。
今回の演題数は10題となっています。発表内容につきましても基礎的な取り組みから比較検討や現状調査等多岐にわたっています。奈臨技学会は、若い技師の発表の場と位置付けています。今回も若い技師の方が多く発表されていることは大変喜ばしい事であります。
私たち臨床検査技師を取り巻く環境は、時代の流れとともに変化してきています。臨床検査技師の業務は検査部内での業務が中心でしたが、最近ではICT・NST・糖尿病などのチーム医療、病棟採血、患者説明等、検査部外の業務が増加しています。また、今年度、日臨技では技師が常駐する病棟業務を推進するために研修会を計画しています。さらに団塊の世代がすべて後期高齢者となる2025年に向けて、政府は医療・介護の供給体制の構築・整備が進めています。それは他職種が有機的な連携をして提供されるものであり、その中で我々検査技師は、在宅医療に求められる臨床検査と臨床検査技師が関われる業務を模索し確立していく必要があります。
ここ数年の奈臨技学会のテーマは、「チーム医療…」(第32回)、「臨床検査技師 - 未来への期待」(第33回)、そして今回は、「こんなところに臨床検査技師」と題し、教育セッションおよび特別講演の内容も臨床検査技師の職域を拡大する将来を見据えたテーマになってきています。今回の学会で大いに討論し、今後の我々臨床検査技師の方向性を決める一助になればと考えます。