平成21年2月度(第4回)

解答編


PDF版(200KB) はこちらです
(PDF版は解答のみです。問題編と併せてお使いください)

出題: 藤本一満 会員

生化学通信講座問題(NARA塾)第4回 解答・解説編です。
第4回の設問のみ編は、こちらです




問題1. アルカリ性ホスファターゼアイソザイムの特徴で誤っているのはどれか。2つ選べ。
1. 健常人では小腸型が最も優位である。
2. 肝臓由良・骨由来はホモアルギンで阻害される。
3. 胎盤由来・小腸由来はフェニルアラニンで阻害される。
4. 骨由来は耐熱性である。
5. B型・O型の人は脂肪食で小腸由来が高値になりやすい。
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【問題1】1.と4.:ALPアイソザイムの特徴は、肝・骨由来はホモアルギニンで阻害され、胎盤・小腸由来はフェニルアラニンで阻害される。健常人では肝・骨由来が優位である。骨由来は易熱性。胎盤由来は耐熱性。B型・O型の人は脂肪食後、小腸由来が高値傾向。

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問題2. 細胞質のみの代謝系はどれか。2つ選べ。
1.
クエン酸回路
2.
β(ベータ)- 酸化
3.
オルニチンサイクル
4.
解糖系
5.
ペントースリン酸サイクル
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【問題2】4.と5.:細胞小器官(オルガネラ)に関する問題。細胞質のみ→解答系、ペントースリン酸回路。ミトコンドリアのみ→TCA回路、β酸化、電子伝達系。細胞質とミトコンドリア→尿素回路(オルニチン回路)

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問題3. タンパク質の二次構造はどれか。2つ選べ。
1.
水素結合
2.
α(アルファ)−へリックス 
3.
β(ベータ)構造
4.
ペプチド結合
5.
疎水結合
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【問題3】2.と3.:蛋白質の1次構造はペプチド結合。2次構造はαヘリックスとβシート、3次構造はポリペプチド鎖が折りたたまれてできる全体的な立体構造を指し、静電結合や水素結合により構造を形成。4次構造は2本以上のポリペプチド鎖(サブユニット)が集まってできている蛋白質をオリゴマーといい、このオリゴマー構造を指す。

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問題4. 二種類の管理血清を用いて内部精度管理をする方法はどれか。2つ選べ。
1.
ツインプロット法
2.
プラスマイナス管理図法
3.
ナンバープラス管理図法
4.
正常者平均値法
5.
デルタ−チェック法
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【問題4】1.と2.:1種類の管理血清による精度管理法には、XバーRあるいはXバーRS−R管理図法、累和法。2種類の管理血清によるものには、ツインプロット(双値)法、プラスマイナス管理図(臼井)法、マルチルール管理図(Westgard)法。患者データによるもには、ナンバープラス管理図法、正常者平均値法、反復測定法、デルターチェック法(前回値チェック法)がある。

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問題5. 通常、生化学自動分析装置に使用されている光源ランプはどれか。
1.
タングステン酸ランプ
2.
重水素ランプ
3.
ホロカソードランプ
4.
ハロゲンランプ
5.
アルコールランプ
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【問題5】4.:寿命の長さおよび光量の強さの理由から、ハロゲンランプが使用されている。フィラメントはタングステンであるが、ガラスに石英ガラス、封入ガスとしてハロゲンガス(塩素)を用いている。

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問題6. ムコ多糖類はどれか。 2つ選べ。
1.
ヒアルロン酸
2.
キチン
3.
グリコーゲン
4.
ヘパリン
5.
イヌリン
.

【問題6】1.と4.:ヒアルロン酸とヘパリンはグルコサミンを持つムコ(粘性のある)多糖類で、コンドロイチン、デルタマン硫酸などはガラクトサミンを持つムコ多糖類である。いずれもヘテロ多糖類である。キチンはN-アセチルゴルコサミン、グリコーゲンはブドウ糖。イヌリンはフルクトースのホモ(単一性)多糖類である。

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問題7. カリウム電極の感応膜はどれか。2つ選べ。
1.
4級アンモニウム塩
2.
バリノマイシン
3.
12クラウン-4エーテル
4.
15クラウン-5エーテル
5.
ガラス
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【問題7】2.と4.:Naはガラス電極、12-クラウン-4-エーテル膜、Kはバリノマイシン、15-クラウン-5-エーテル膜電極。CLは4級アンモニウム塩電極

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問題8. 通常、食後低値を示す物質はどれか。2つ選べ。
1. 無機リン
2. 中性脂肪
3. 遊離脂肪酸
4. インスリン
5. グルコース

【問題8】1.と3.:食後、無機リン、遊離脂肪酸は低値傾向。一方、中性脂肪、インスリン、グルコースは高値傾向である。 

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問題9. 半径15cm、回転数3,000rpmの時の遠心力gはいくらか。
1. 509
2. 1009
3. 1509
4. 2009
5. 2509
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【問題9】3.:遠心力(g)=11.18×(回転数/1000)^2×半径(cm) 。半径の短い遠心機と長い遠心機とでは、遠心力に差がある。一度、身の周りの遠心機の遠心力を調べて使用するようにしましょう。

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問題10. トレーサビリティ(英:traceability) は日本語で何と言うか。
1. 追跡可能性
2. 国立標準技術研究所
3. 常用標準物質
4. 標準化対応法
5. 反応性評価法
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【問題10】1.:Traceability=追跡可能性。Transferability=精確さの伝達性。 Uncertainty=不確かさ。Systematic error=系統誤差。Random error=偶発誤差。ISO=International Organization for Standardization=国際標準化機構。true value=真の値。error=誤差。bias=かたより。dispersion=ばらつき。precision=精密さ、精度。trueness=真度。 accuracy=正確さ、精確さ。Standard Operating Procedure(SOP)=標準業務手順書。Good Clinical Practice(GCP)=医薬品の臨床試験の実施の基準

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問題11. 炭酸ガスを生成する組合せはどれか。2つ選べ。
1. クレアチニン ー クレアチニナーゼ
2. 遊離コレステロール ー コレステロールオキシダーゼ
3. トリグリセライド ー リポプロテインリパーゼ 
4. 尿酸 ー ウリカーゼ
5. 尿素 ー ウレアーゼ
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【問題11】4.と5.:尿酸→ウリカーゼ→CO2+アラントイン+H2O2。 尿素→ウレアーゼ→CO2+2アンモニア

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問題12. 間接ビリルビンのみが上昇する疾患はどれか。2つ選べ。
1. Crigler-Najjar症候群
2. Gilbert症候群
3. Dubin-Jonson症候群
4. 閉塞性黄疸
5. ローター症候群
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【問題12】1.と2.:間接(遊離型)ビリルビン上昇→Crigler-Najjar症候群(グルクロニルトランスフェラーゼ欠損症)、Gilbert症候群(肝細胞のビリルビン取り込み不良)、新生児黄疸(グルクロニルトランスフェラーゼ未合成)、核黄疸、溶血性貧血。

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問題13. o-GTTのoとは何でしょう。
1. 空腹時
2. 食後
3. 眠前
4. 経口
5. 静中
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【問題13】4.:GTT →Oral−glucose tolerannce test(経口ブドウ糖負荷試験)

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問題14. 血清Ca測定用のキレート剤はどれか。2つ選べ。
1. ニトロソ−PSAP 
2. アルセナゾ−III
3. トリピリジルトリアジン
4. バソフェナンスロリン
5. o−クレゾールフタレインコンプレクソン
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【問題14】2.と5.:Ca測定用キレート剤には、OCPC、アルセナゾ-III、ホスホナゾ-III、クロロホスホナゾ-III、クロラニル酸、EDTAがある。
Fe測定キレート剤には、ニトロソ-PSAP、トリピリジルトリアジン、バソフェナンスロリンがある。亜鉛測定キレート剤には、2-(5-ブロモ-2-ピリジルアゾ)-5-(N-プロピル-N-スルホプロピルアミノ)フェノールナトリウム(5- Br-PAPS)がある。

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問題15. 低カルシウム血症によって起こる痙攣を何というか。
1. テタニー
2. バセドウ氏病
3. クッシング症候群 
4. アジソン病
5. クラインフェルター症候群
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【問題15】1.:低カルシウム血症→テタニーが発症して、手足の指に屈曲した拘縮をおこす症状を起こす。

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問題16. 試薬成分にL-γ(ガンマ)グルタミル-3-カルボキジ-4-ニトロアニリドとグリシルグリシンが含まれています。何を測定する試薬でしょうか。
1. CK
2. ALP
3. LAP
4. AMY
5. GGT(γ(ガンマ)GTP)
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【問題16】5.:GGT(γGTP)測定試薬には、基質のL-γ-グルタミルー3-カルボキシ-4-ニトロアニリドと受容体としてグリシルグリシンが添加。

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問題17. AST活性を測定したところ500 U/Lが得られた。3分間の吸光度変化量は0.300、試料量10μL、試薬量300μLの時、この分析におけるNADHのモル吸光係数はいくらか。
1. 3200
2. 4200
3. 5200
4. 6200
5. 7200
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【問題17】4.:NADHのモル吸計数(ε) の理論値が6300であるが、この問題におけるεは、以下の式から解ける。
500U/L=(0.300/3分×310μL×1000000)/(ε×10μL)  ε=6200

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問題18. 肝臓の異物排泄機能検査はどれか。2つ選べ。
1. ブロムサルファレイン試験 
2. インドシアニングリーン試験
3. フェノールスルホフタレイン試験 
4. フィッシュバーグ濃縮試験 
5. デキサメサゾン抑制試験
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【問題18】1.と2.:肝臓の異物排泄機能検査には、ブロムサルファレイン試験(BSP試験)、インドシアニングリーン(ICG試験)腎血流量や近位尿細管機能には、PSP試験。遠位尿細管機能には、フィッシュバーグ濃縮試験。下垂体機能および副腎皮質機能には、デキサメサゾン抑制試験。

問題19. 逸脱酵素はどれか。2つ選べ。
1. CK
2. ALP
3. GGT(γ(ガンマ)GTP)
4. LAP
5. AST
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【問題19】1.と5.:逸脱酵素(細胞膜の透過性があがることにより酵素が逸脱)=CK、AST、LDなど膜酵素(逆流酵素)=GGT、LAP、ALP

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問題20. 尿素について誤っているのはどれか。2つ選べ。
1. 尿素窒素とは、尿素中の窒素のことである。
2. アンモニアにウレアーゼが作用することで生成される。
3. 高蛋白食で増加する。  
4. 血清中の非蛋白性窒素化合物(NPN)の約80%を占める。
5. 分子量60であり、主に尿中に排泄される。
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【問題20】2.と4.:尿素窒素は尿素(MW:60)中の窒素量(14×2)で現したものである。血清中の窒素成分の50%が尿素由来である。尿中の窒素成分の80%が尿素由来である。尿素窒素値に2.14倍すれば尿素の値に変換できる。
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以上です。いかがでしたでしょうか。おつかれさまでした。

(by 奈良県臨床衛生検査技師会 藤本一満)

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