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第16回 近畿形態部門血液検査分野研修会開催にあたり
   近畿臨床検査技師会長 立脇 憲一
   奈良県臨床検査技師会長 増谷 喬之
   奈良県検査研究部門担当学術部長 丹羽 欣正
   からのごあいさつ




16 近臨技血液検査分野研修会開催にあたって

近畿臨床検査技師会
会長 立脇憲一

 

 標記第16回研修会を平成1822526日に奈良県臨床衛生検査技師会血液検査分野のご担当で開催していただくことになりました。

今回の研修会の主テーマは、血液検査分野では非常に重要な疾患である悪性リンパ腫に的をしぼり、その病態・病理、診断におけるFISH法の応用と実際、臨床検査技師の役割、フローサイトメトリー解析などについて研修するとともに、加えて動画による細胞の出現・細胞形態・考えられる疾患・どう報告するかなどの一連の実習を通じて、現在、日本臨床衛生検査技師会・日本検査血液学会等を中心に組織した協議会によって推し進めています「認定血液検査技師」認定のための試験形式による研修を企画していただきました。したがって、従来の研修会とは少し趣の異なった研修会となりました。

認定血液検査技師制度は、血液検査分野における高度の学識と技術を有する検査技師の育成を図り、より良質な医療を国民に提供する目的で発足して3年が経過しました。この認定を取得するには血液学の基礎知識、検鏡での所見の書き方、臨床への情報の提供方法、系統的な検査の流れ、今はあまり行われていないマニュアル検査などをも含めたすべてをマスターしていなければなりません。今後この認定試験の受験を考えている多くの会員に少しでも役立つ内容になればとの先輩認定技師の方々の熱い思いで立案企画されました。

 したがって受講いただければ、必ず受講者自身のスキルアップに直接繋がる内容的に充実した研修会になっているものと確信しています。

 ぜひ多くの会員に、本研修会へご参加いただきますよう心待ちにしております




ご挨拶

社)奈良県臨床衛生検査技師会
会長 増谷喬之

会員の皆様には、益々お元気でご活躍のこととお慶び申し上げます。

この度、第16回近臨技形態検査部門・血液研修会ホームページ開設にあたり一言ご挨拶申し上げます。

今、我々を取り巻く医療環境は大変厳しい状況が続いております。しかし社会情勢がどのように変化しようとも臨床検査は医療を正しく実践する上において必要不可欠であります。このような状況下においてこそ、我々はチーム医療の一員として診療の一翼を担う支援を念頭に入れ、最大限の力を発揮しなければなりません。その意味におきましても本研修会は学術ならびにチーム医療を考える上において大変充実しております。

本研修会では悪性リンパ腫診断をテーマに開催され、その診断に病理組織学的診断のみならず総合判断としての臨床検査技術の重要性と臨床における検査技師の関わり、本疾患の治療計画および予後の診断に、フローサイトメトリーでの表面マーカーの解析、染色体解析、遺伝子解析など最新の検査技術が紹介されております。また本研修会では、血液認定試験を意識した実践形式で病態病理と臨床検査について開催されます。どうか研修会を通じ、学術活動はもとより近臨技会員皆様の交流の場としても利用していただき、新しい時代の臨床検査技師スキルアップに繋げていただきたいと存じます。多くの会員皆様が参加されますことをお待ちしております。

 研修会場付近には、1998年に「古都奈良の文化遺産」として世界遺産に登録されました東大寺、薬師寺、平城宮跡はじめ「古都奈良の文化財」が隣接しております。是非、研修会終了後に“冬の古都奈良”をお愉しみ頂きたいと思います。

おわりに、本研修会開催準備に際し、近臨技・形態検査部門長はじめ委員皆様方に深く感謝申し上げます




16回 近畿血液研修会開催にあたって

                                奈良県臨床検査技師会 検査研究部門担当 学術部長
丹羽 欣正

 

 今回、近畿血液研修会を奈良県が担当して開催することとなりましたが、私自身この研修会に対しては極めて思いで深いものがあります。 それは16年前に、私が日本臨床衛生検査技師会(日臨技)の近畿地区全国委員であった頃、日臨技全国研修会の伝達講習を行う場所として「近畿臨床衛生検査技師会(近臨技)血液研修会」を開催したのが、本研修会の始まりであったと憶えております。

 研修会の内容について少し触れますと、最初の頃のメインテーマといえば「白血病の特殊染色による分類」が大半を占め、FAB分類に添ったものが主流でありました。 それが今回は「悪性リンパ腫」に焦点があてられ、その臨床,病理,FISH法,フローサイトメトリー解析と悪性リンパ腫に対して多面的にせまるもので、新WHO分類あるいは検査血液学会による血液検査認定技師試験の影響を多分に受けたものとなり、時代の変遷を大いに感じているところであります。 特に血液形態学の世界は、主観的に判断する時代から出来る限り客感的に判断できるようにして標準化に結びつけようという時代に移ってきており、それがどんどん進められております。このように、血液学的検査の進展は形態学的検査のみならず凝血学的検査などいずれの方面でも流れが速くなっておりますので、うかうかしておられないということも同時に身につまされているところであり、さらに加えて勉強しても勉強しても終点のない世界であることも痛感している次第であります。 

また、本研修会は内容ばかりでなく開催組織も大きな改革時期を迎え、今まさにそれを乗り越えようとしているところではないかと考えます。 それは、日臨技の部門別検査研究班制度が検査研究部門制度へと改編され、それによって本研修会の開催運営母体も自動的に変わったということです。 しかし、名称は変わっても“新しい知識を取り入れ、それを分かち合う”といった本研修会の大きな目標は変わっていないと思いますので、学問のみに限らず、あらゆる知識の伝播の場として、この研修会は今後ますます発展していくものと考えます。

 最後に、この第16回近畿血液研修会が参加された会員の皆様にとって実り多いものとなりますことは受け合いですので、是非多方面より多数の方々に参加して戴けますようお願い申し上げます。



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