知事表彰を受賞して

奈良県桜井保健所 竹部 久勝

この度、法人設立15周年、創立45周年記念式典が、平成13年11月18日(日曜日)奈良県文化会館小ホールに於いて、奈良県知事・日臨技会長・近臨技副会長・近畿各府県技師会長御出席のもと開催され、私は他の4氏と共に知事表彰を受賞し誠に光栄に思います。
 想い起こせば、私が臨床検査技師としてこの世界に携わるようになったのは昭和42年以来です。当時はそれぞれの病院が自前の検査室を設け、技師を育成されており、また我々技師の就職先も引く手あまたの良き時代で、この時代は、全国的に技師学校及び検査センター等が開設され、それと併行して技師の数、検査施設数も増え、検査項目も多種ルーチンとして取り入れられ、私たちにとっては充実した時を迎えていたように思います。
 また、医療分野に於いても社会的に於いても認められ、今日の身分保障がある程度形成されたのはこの頃だったのではないのでしょうか。他方、新たなる検査試薬・機器類がぞくぞくと開発され、これに伴って大量の検査数の処理が可能になり、希症例や病名に遭遇し、その度に専門書や臨床の先生方に教えを受けたり、先輩技師の指導を受け検査を行いながらも、研究班活動・勉強会・学会参加・親睦会等が盛んに行われ参加していたように思います。
 昨今は、パソコン・インターネットの普及により検査はより迅速、正確に、情報収集も瞬く間に手にいれる事が可能になり、病気の予防・診断・治療等に大きく貢献しており、40年代のように技師が技師としての業師的な技術要素が、無くなりつつあるようで私自身は淋しい感じが致しますが、時代の趨勢なので仕方がないのかも知れません。
 21牡紀に入り、世の中を震撼させる事件が起こっていますが、これからも私達の予見出来ない事件があるかも知れませんが、慌てることなく冷静に対処して行こうと思います。
 最後になりましたがこの度の受賞にさいして、先輩諸氏、役員の方々、会員の皆さま方の御尽力に感謝し、今後とも検査業務に精励致しますと共に、社団法人奈良県臨床衛生検査技師会の発展を願い、紙面を借りてお礼申し上げます。