永年職務精励者表彰を受賞して

榛原総合病院 福田 実恵子

 何時の間にか、永年職務の表彰を受ける年になったのか?年月の経つのが早く感じる今日この頃です。
H13年11月18日、法人設立15周年、創立45周年記念式典にて代表者として授与させていただき、臨床検査技師として歩んで来た道を今時代の流れと共に立場や仕事内容の変化、病院内のおかれた位置等を考える時、安心出来ない厳しさを感じてしまいます。昨年は、暗い事件が多くありました。特に米国の多発テロは、世界の人が恐怖に落とされました。2002年は、希望を持って明るい出発を願わずにはいられません。私の過去を振り返ってみますと、検査は病院のドル箱でとても大切にされました。今から考えてみれば信じられない程、検査技師の役割は大きい物だった様に思います。それに伴って検査センターの進出や検査機器の開発、マニュアルからオート化へ、そして検査保険点数の見直し、年々続く点数の引き下げ。この過程を経て現在に至っています。
 しかし、医学の進歩は目覚ましく検査部門も専門職化の傾向にあります。ライフサイエンスの進歩や、バイオテクノロジーの発展、ME機器の開発により、私達の技術も昔ながらの勘や、経験だけでは時代のニーズに答えることはできません。今や検査業務は分析装置やコンピュータの導入によって自動化、システム化が進んでいます。そして検査データーを至急に報告したり、検査体制が24時間のため検査担当者の交代などで目まぐるしく検査に追われている状態にもかかわらず、人件費の削減や検査点数の現状から、技師増員もままならないのが現代の検査料です。
 ところでここ数年医療事故や医療ミスの裁判がマスコミに報道されている現実を見るに当たり、臨床検査技師という専門職としての技術や知識の向上と共に、医療ミスを絶対起こさない様なチームワーク信念と、そして私達の検査が患者さんの病気を見つけたり治療のための大切なデーターになる事に誇りを持って毎日を送りたいと思います。