広芝 文雄
岩井 修二
大淀病院は吉野郡の玄関口、大淀町に昭和30年2月、病床数30床の町立病院として産声をあげました。それ以来、時代の変遷とともに増改築を重ねること5回、現在では内科、外科、脳神経外科、整形外科、小児科、眼科、耳鼻咽喉科、皮膚科、産婦人科、放射線科の以上10科で275床を有し、また二次救急指定病院としてお隣の吉野病院とともに過疎化が進む吉野地方の中心的な医療機関として地域医療を担っています。
病院前には国道309号線をはさんで桜鮎で名高い清流吉野川がまた、屋上からは、近畿の屋根、修験道の大峰山やそれに連なる大峰山脈が一望のもとに見渡せる好環境に仕置し、日々移ろい行く自然とともに毎日、検査業務に携わっています。我々、技師を取り巻く環境は年々悪化をたどる方ですが・・・・・
さて、開院当時は前技師長が一人で切り盛りされていた検査室ですが現在、技師10名、受付事務1名、業務員1名の世帯で運営しています。今までは検体検査を中心として生化学、血液、血清、一般、細菌及び心電図、脳波、耳鼻科検査などを行ってきましたが、医師側の強い要望もあり、エコー検査(心、腹部)にも携わることになりました。
検査室では、夜間当直(休日、祝祭日は全日)および、外来採血(全科)も実施しており人的な余裕がないため、検体検査のうち、細菌検査を外注化することで村応しています(本年6月より)、もとより、今まで慣れ親しんできた検体検査を外注する事には強い抵抗もありこの選択で本当にいいのか?と、悩みましたが最近の医療情勢では致し方なく苦渋の選択でした。一日も早く、新しい生理の分野で貢献し、またいつの口か細菌検査をも再開出来る日がくることを願っています。
また、2年前に生化学自動分析器の購入(買い替え)を機に検査システムを導入しました。なにしろそれシステムと呼べるものは血液検査に一部採用されていただけ、という状態ですのでまったくの手探り状態で始めたものですから他の施設に見学させて頂いたり、情報提供して頂いたりとお世話になりながら予定より3ケ月以上もオーバーしてすったもんだしながらようやく完成しました。
システムにようやく馴染みだした一年後、今度は病院のオーダリングシステムが始まりました。この時も、以前に輪をかけた混乱振りで果たしてうまくいくのかしら?と全職員が不案と期待で見守る中、去年8月にようやく完成しました。始まった当初は、危惧した通りいろんなトラブルがあり、ずいぷんと患者様にもご迷惑をおかけしたものですが、慣れてくると案ずるよりも生むがよしで案外スムーズに運営され患者様にも喜んでいただいています。また、検査データもリアルタイムで転送されるれで以前のように問い合わせの電話や報告書の催促に悩まされることもなくなりました。 ただ、以前より早くなれぱなったで、緊急の依頼が半数以上を占めるようになりましたが、それも医療の現場での検査データがより重視されてきた表れと思っています。
毎日のように報道される医療事故や相次ぐ改正による保険点数の引き下げなど我々を取り巻く環墟は日々、厳しくなる一方ですが地域に密着し、いつまでも患者様に愛され、信頼される病院を目指して、スタッフ一同、頑張ってゆこうと思っています。
検査室風景