奈良県立医科大学附属病院 山下 奈美子
5年ほど前になるだろうか。フラメンコとの出会いは友人が出演した舞台だったと思う。生演奏のギターと歌、踊りの迫力に圧倒され、感動を覚えたような気がする
数日後には、その友人の誘いでレッスン風景の見学に行くことになった。始めて聞く音楽、不思議なリズムと動き、とても魅力的だった。‘私も踊れるようになりたい!’と、軽い気持ちで習い始めることを決めた。
最初の数ヶ月間は週1回、1時間ほどのレッスンだったが、踊ることが楽しく、週1回ではもの足りなくなり、気がつけば週2回、週3回と増えていた。仕事が終わってから、大阪まで通う日々であった。フラメンコ友達もたくさんできた。仕事も年齢もまちまち それでも皆フラメンコを愛し、フラメンコに対して熱い思いを持っていた。
夏休みを利用して、その友人達とスペインへ出かけることもできた。日本人観光客などほとんど滞在することのない、スペイン南部アンダルシア地方、フラメンコ発祥の地と言われている”セビーリャ”という場所へ行った。毎日、スペイン人ダンサーのレッスンを受け、フラメンコ用品を買いに行き、タブラオ(フラメンコのステージを見られる場所)へ出かけた。1日だけバルセロナにも行き、一般的な観光客にもなった。
”優勝商品はスペイン旅行!”という、三重県志摩スペイン村で開催された”セビリャ・ナスコンテスト”というものに出場して、予選突破。優勝は逃したが、コダック賞としてデジカメを戴いた。
そうこうしているうちに約5年間の時が過ぎた。フラメンコに費やした時間と費用は一体どれくらいになるのだろう。考えるだけで恐ろしいが・・・。もちろん、楽しいことばかりではなく、辛いことも苦しいこともたくさんあった。けれど、一つの趣味に対し、ここまで打ち込めたという事は、これから先、自分の人生の中で何かの糧となるのではないかと思っている。
そして今、フラメンコに対してある程度の満足感を得、他のことにも目を向けるために、ひとまず一度離れてみることにした。
最近、新しい趣味を見つけた。それは英会話。英語が大嫌いな私が、何を血迷ったか、英会話学校などに通い初めてしまった。もちろん初心者クラス。初心者の域を脱するには当分時間がかかりそうだが、英語を通じてたくさんの人と知り合い、自分の世界を広げることができるようになれたらと思い、楽しい英語三昧の日々を送っている。将来、什事でも生かせる車力ができたらよいが、今のところ未定である。
踊って話せる検査技師を目指し、さらに努力を重ねていきたい。