第17回近臨技一般検査研修会に参加して

大和高田市立病院 菅野 妙子

平成19年2月25日にエル・おおさか南ホールで開催された近臨技一般検査研修会に参加しました。開催責任者の佐々木さんの挨拶で始まりました。

 最初は関西医科大学小児科学講座金子一成先生による学校検尿制度による小児腎疾患の診断と治療でした。@学校検尿の歴史と実態、A学校検尿異常児の対処方法、B学校検尿の問題について講演して頂きました。一番印象に残ったのは検尿結果について診断精度を上げるためには採尿条件が大切だということです。例えば起立性蛋白尿による尿蛋白異常を避けるためには朝起きてすぐの尿を採る。女子の生理時の出血による尿潜血異常を避けるためには生理が終わっても5日ぐらいは採尿しないということです。次に興味深かったのは、随時尿の蛋白濃度を尿中クレアチニン濃度で補正したものP/C比が1日(24時間)尿蛋白排泄量と極めてよく相関するということです。蓄尿しなくても1日尿蛋白量が推測できれば腎疾患を診断する上ですごく有用だと思いました。診察前に結果が出るように出来れば患者さんのためになると思いました。

 次に東京女子医科大学中央検査部一般検査課の横山貴先生による異型細胞の鑑別=膀胱癌を中心に=でした。膀胱癌の発生原因、異型細胞の出現背景、鑑別ポイントについて教えて頂きました。異型細胞を指摘することは大切なことなので大変参考になりました。困った時には、提示いただいた異型細胞を判定するための基準(チェックシート)を使わせていただきたいと思います。私は超音波検査にも従事しているので、いつも超音波でみている膀胱癌について1、疫学2、発生原因3、発癌に関わる染色体・遺伝子異常4、病理@組織型A原発腫瘍の分類B異型度C細胞像について詳しく講義していただいて大変参考になりました。

 その次は京都市立病院臨床検査科古市佳也先生による尿細管上皮の見方でした。試験問題のような□や○が入ったペーパーをいただいていたのでドキドキしながら講義を待ちました。今回の研修会で一番聞きたかった講義でした。@尿細管の構造と機能、A尿中に出現する尿細管上皮細胞の細胞像、B尿細管上皮細胞と鑑別を要する細胞、C尿細管上皮細胞の臨床的意義について詳しく解説していただきました。同じ尿細管上皮でも尿細管の各部位で形態が異なることを認識しつつ、尿沈渣中で重要な細胞である尿細管上皮を他の細胞と鑑別していきたいと思いました。

そして最後に大阪大学医学部付属病院医療技術部検査部門の今井宣子先生によるこれからの一般検査についてです。今まで名前だけ知っていた今井先生の話を初めてお聞きできて感動しました。@一般検査の定義、A現状分析と問題点、B対策などについて、ご自分の経験を踏まえて話していただきました。勤務しているのが中小病院のため一般検査だけをしているわけではないのが残念ですが、本日教えていただいたことを活かせるように、また診療に役立つ検査結果を返せるように頑張っていきたいと思います。

本日の研修会を開催していただいた責任者の佐々木さん、座長をしていただいた各府県の班長さん、そして講師の先生方ありがとうございました。