奈臨技フォーラムまとめ

「技師会に求めるもの(アンケートに答えて)」

部 弘司

奈臨技創立50周年、法人設立20周年を経て、これからの技師会にとって、「何が求められているのか」、「新しい一歩に何をなすべきか」、「めざすものは何か」などを会員のみなさまとともに考える場として、今回、このフォーラムが企画されました。

 まず、事前にアンケート調査(回収率55%)がおこなわれ、法人、学術および総務関係に大別し、その集計結果が、司会でもある今田理事より報告がありました。そのうち、問題点としては、以下のものがあげられました。法人活動においては、「成果がみえない」、「少ない施設では実務委員として参加することが厳しい」などがあり、学術活動では、「レベル別の勉強会」、「各種認定資格への対応」など、また、総務活動では、「検査室運営の問題点を共有化する」「検査室の存続問題を考える」などの意見が寄せられました。

 これをもとに、各活動に関して指定発言を求め、会場との意見交換という形で、フォーラムが進行されました。

 このなかでも、とくに公益法人制度改革への対応が、今後の技師会活動に大きな影響を与えることから、現行の社団法人設立までの経緯と制度改革の概要を、元奈臨技会長の山中氏と日臨技理事前川氏から説明していただきました。その後、安田(阪奈中央)、延命(県立奈良)、松下(天理よろず)、中川(しみず小児科)、酒井(済生会中和)各氏より指定発言がありました。今後の技師会活動の指針となる貴重なご意見を拝聴することができました。

 アンケート調査ならびにご意見を集約しますと、研修会、勉強会等の学術活動に関するものがきわめて多く、次に公益法人および会員間交流の場としてのレクレーションに関するものでありました。

 職能団体として、学術分野の技術、知識研鑽を目的とされている方が多いことが、明確に示された結果となりました。

 公益とは、「不特定多数を対象とする」ことから、研修会、勉強会およびレクレーション等の会員利益活動を、どのように公益法人活動と整合性をもたせていくのか、重点施策をどこにおくのか、など大きな課題が残されています。

 平成20年から5年の申請期間内に、新しい技師会の方向性を決定する必要があります。

最後にまとめとして、倉本会長から、よりよき技師会をめざして、会員のみなさまとともに、大いに議論を重ねていきたいとの発言があり、フォーラムを終了いたしました。

概要説明および指定発言をこころよくお引き受けいただきました各氏へ、厚く感謝いたしますとともに、進行の都合により、多くのみなさまのご発言を得ることができなかったことを、ここに深くお詫び申し上げます。


奈臨技フォーラム

今田 周二

 奈良県医学検査学会は検査研究部門運営委員会の担当で企画・運営されています。今年度も昨年、一昨年の運営方法を踏襲した形式をとり、一般演題、学術部部門・分野と地区からの要望演題、フォーラム(昨年はシンポジウム)、ランチョンセミナーの組み合わせで実施しました。

 今回は技師会に求めるものと題して、奈臨技会員の皆様にアンケートをお願いし、奈臨技の運営についてご意見をいただき、今後の技師会活動の参考にさせていただくため、アンケートを基にフォーラムのかたちで意見交換を企画しました。


 アンケートは奈臨技会員の55%にあたる278名から解答をいただきました。技師会活動の評価は学術活動が約80%、公益法人活動が約20%、また、技師会活動への関与実績は研修会が参加も含めて90%弱、実務員が30%弱、理事・分野長・分野員等の役員は20%強でした。そして今後の技師会活動への関わりについては、積極的にが15%、声がかかればが50%強で2/3の会員が肯定的ですが、関心がないと答えた会員も3割ほどおられました。


 フォーラムでは、まず、上記アンケートの結果とご意見を紹介し、次いで、公益法人活動、学術活動、総務活動の順で発言を頂きました。公益法人活動については国の公益法人制度改革に伴い我々技師会も今後数年の間に態度を決定する必要があます。奈臨技の社団法人設立の経緯を山中前会長に、公益法人制度改革と日臨技の動向を前川日臨技理事に解説して頂きましたが、行政や日臨技の対応に不透明な部分があり今後の動向を見極める必要があるようです。

公益法人活動、学術活動、総務的活動について企画・運営側と会員の立場からそれぞれご発言いただき、最後にアンケートに寄せられたご意見に答えるかたちで倉本会長に総括をお願いしましたが、それらの意見を技師会運営の参考にし、また技師会活動にご協力していただければと思います。

以下にフォーラムで紹介したご意見を掲載します。

公益法人活動へのご意見

   医療に関する記事、薬害C肝、東京大気汚染裁判などのときにホームページ上に臨床検査からみた視点や解説などをのせるのはどうか

   奈良県赤十字センターが行っている献血事業へのかかわりを強化することでつまり(献血への街頭協力等)を通じて活動を行ってほしい。

       時代に即応した問題に対する公開実技講習会。

     今なら「一時救命処置とAED」等を継続的に。

   土・日曜日が完全に休みの施設はよいでしょうが、技師が3?5人ぐらいのところに、何人この講習会に参加しろとか手伝いにこいとか、強制しないでほしいです。もっと大人数のところに言ってほしいです。

   各種行事に参加・支援することは有意義だと思いますが、成果はこの様に上げましたという報告が伝わって来ない。伝え方が悪いのなら再考を。成果が上がっていないのなら参加中止を。

   活動としては評価できるがもう少し一般会員に参加してもらえる様なシステム企画を考えてはどうか、協力してもらえる会員がいつも同じである。

学術活動へのご意見

   ADSL、あるいは災害トレアージといった、あまり技師として関係がない様な講習も実施していただければ是非参加いたしたいと考えています。

   ホームページに公開してほしい。

   各分野の講習会を定期的に行ってほしい。また、実習等のしてほしい。

   年間を通して参加し、終了時に修了証を渡すなど検討しては。

   例えば糖尿病療養指導士などの認定資格の更新の為の単位などの取得がもっと簡便で解り易くして欲しい。単位数とかも記載して欲しい。年間通じて単位を認めるとかその時その時ですぐに印がもらえるとか?

   学会発表や講演会講師をした事がない人でやりたいができない人をサポートする為に何かできることはないか

   学術の分野員、分野長をさせていただくようになって、企画側としてのむずかしさを年々感じるようになりました。会員の方が参加したいと思える内容はどういったものか、把握するのもむずかしいと痛感しています。

   画像分野(超音波)しか参加していないですが、会費をいただいてもいいくらい充実していると思います。

   研修・講習会の開催場所がもう少し多くなれば行きやすいと思います。

   ちょっと勉強会多すぎでは?

総務活動へのご意見

   会員会員が参加、関与できるような、興味あるイベントをできれば良いと思われます。メーリングリストと云う今の活動も評価できるものと考えています。

   保険点数改定時など他施設の対応等を参考にして話しあえる場が欲しいと思います。

   病院の規模は県内でも種々あります。それぞれの大きさで違った悩み、問題点をかかえていると思います。そういったものも取り上げてはどうか

○ どこの病院でも検査を存続させる事についての努力、ディスカッションが多くなっていると思います。自分達の職場での生き残り作戦についての検討等も希望します。

   H18年4月から又点数が下がりました。迅速検査加算において各病院の対応を聞かせて欲しいです。

   レクレーションがパターン化されているように思います。スタッフが少ないので仕方がないのも事実でしょうね。

   レクレーションやサークルは会員の交流としては、よい事だと思うが自己負担の割合をもっと考え直して欲しい(多くする)もっと他の事に会費を使ってほしいと思う

   医療保険制度の見直し(改悪)がこれ以上行われると中小病院・診療所はつぶれてしまいます。技師会としても反対の立場に立って活動を。

   技師会に入会してメリットを感じられる様な活動を考えてはどうか。

その他のご意見

○ 事務所の仕事が多い為分担できるものなら分担すべきではないかと思う。ルーチンワークをしながらするには負担がかかりすぎているように感じる。

○ 役員は2期以上の任期を禁止

  会長は会員の直接投票で行う。

○ 法人設立20周年には奈良ホテルで記念祝賀会が行われるが、もっと質素に行って

良いのでは。又、「永年職務精励者表彰」には記念品が出るとか聞くが、記念品など不要。他の事に払った年会費を使っていただきたい。