一般演題まとめ
一般演題座長を担当して
奈良医大 今井 竜子
RLS(むずむず脚症候群)は、今までほとんど知られていない疾患でありましたが、最近TVや新聞などで取り上げられるようになりました。
RLSでは、1.異常感覚を伴う運動欲求(じっとしていられない感じ)。
2.症状が安静臥位もしくは座位で増悪又は発現する。
3.動いたりストレッチしたりしている間は症状が軽減・消失する。
4.夕方から夜間に症状が増悪もしくは発現する。
4徴の存在を問診にて確認する。
PSG検査にて、前頸骨筋の位置に2〜4cm離して電極を装着する。
1.Leg movementを形成する筋活動は、較正波形の25%以上の振幅があり、0.5〜5秒持続するもの。
2.眠中に5〜90秒の間隔で4個以上連続して出現したLMをPLMSとする。
3.LMの間隔は、LMの始まりから次のLMの始まりまでの時間を示す
4.動が同期していない場合、左右の筋活動が5秒以内の間隔で出現している場合には、1個のLMとしてカウントする。
5.睡眠時無呼吸による覚醒反応に伴って出現したLMは、RLMSには含めない。
6.PLMSは、分布、運動周期、範囲などを総合的に評価して、入眠時のピクツキ、部分ミオクローヌス、律動性運動障害、夜間発作性ジストニアなどと鑑別する必要がある。
今回発表して下さった2例は、上記のような条件をクリアしたとても貴重な症例でした。PSG検査を行っている私たちに問診の大切さ、Leg movementなどに注意することを教えてくれました。またPSG検査は、主にSASの診断に用いられていますが、睡眠障害の把握にも有用であることを教えていただきました。
今回座長を担当して多くの事を学びましたが、一題前の演題がかなり延長して時間がおしてしまい、質問も控えてしまいましたので、発表する演者の方も地方会であっても注意をして欲しいと思いました。
今後もますます私たちもがんばって会が発展する事を願います。
一般演題座長
畑中 徳子
気楽さのなかにも、規律を!
学会発表は、与えられた時間の厳守、要領を得たまとめ、明確なプレゼンテーション、これが成り立った上で、はじめて発表の内容が問われることになることを肝に命じておきたい。
他の学会に比べ日頃の研究班活動やその他の活動で、気心の知れた仲間達の会である奈臨技学会の一般演題では、多くの方が演者として参加しやすく、また垣根が低く活発な意見交換が出来る場であると考える。発表は初めてだという会員でも、奈臨技学会なら、あまり気負わずやってみようかなと、頑張られる方もいらっしゃるのではないだろうか。発表しやすい環境はとても大切だが、守らなければならないルールは、きっちりと守った会にしたいものである。
日頃の活動や研究の成果は膨大な量のデータであっても、それを端的にまとめ発表時間内に収めることも大切で、またそれを実行することも演者の重要な課題となる。不慣れであっても十分な準備をして、与えられた発表時間内でその主旨をしっかりと伝える必要がある。活発な質疑応答や会場内での意見交換ができて、はじめて一般演題での発表が完結したといえる。発表だけに時間を費やし演者の一方通行で終わってしまうのは、演者にとっても、会場の会員にとっても消化不良なものとなってしまうだろう。
今回の一般演題では、ディスカッションの時間が十分に取れなかった演題もあり、残念に思った。