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技師長・職制者に望むこと

日本臨床衛生検査技師会 副会長 山 名 正 夫

検査技師会と社会性

 日本臨床衛生検査技師会は、「学術」と「職能」の2面性を備えた団体であると一般的に表現されています。しかしながら、会員の理解は学術に関しては一致しているように思われますが職能に関しては何を意味しているかに会員の年代によってかなり解釈の違いがあるように思われます。

 この点に関して、私も職能とは社会性を指すことに他ならないと理解しています。即ち団体は社会性を保ちつつ活動をしなければならない責任と義務を有すると共に、その社会性の欠如は団体の維持継続を危うくするものであると考えます。このことは簡単に日本の過去の社会を振り返っても、集落(村)中心の社会、武門中心の社会、戦後の会社中心の社会等、そして現在の「個」が重要視される社会等の変遷をみてみても理解できることと思います。

 日臨技の前身である「日本衛生検査技術者会」は昭和27年に名古屋市において設立総会を開催し、当会の前身である「日本衛生検査技術者会・奈良県支部」は昭和35年5月に発足しています。これらの経過は日本衛生検査技師会史に詳細が掲載されていますので、是非一読してください。ここで学んでいただきたいのは、技師会が設立された目的は、まさに学術の充実と職能の発展、即ち検査技師の社会からの認知(社会性の確立)であります。又その後、学術面では知識の向上、技術の習得に精力を傾注し今日の姿となりました。一面、社会性についての活動は残念ながら遅れがちの傾向にあります。その要因としましては、技師会は技術屋の集まりであり技術がしっかりしていれば良いとの思考があるのと同時に、昭和30年代では医療・福祉と土木・建築は上限の無い分野との認識が一般的でした。即ち、高度経済成長と相俟って、この分野については過剰供給が発生しないとの判断で、投資すればする程、人(個)の幸福につながるとの解釈です。しかしながら、現実の問題としてはこのことが間違いであったことが既に立証されております。

技師長、職制者の役割

 話は、職場で技師長や役職者は何をすべきかとの現実の主題に入ります。高度の知識や技術を持っていることは個のレべルでは認知されますが、施設ではそれが機能しない限り評価されることはありません。即ち、検査部として個の技師が持つ知識や技術を検査集団として施設にどう反映するか、更には地域、終局的には国民にどう反映するかが重要な観点となります。

 このためには、当然のことながら施設の他部門、更には地域、国民が検査部に望むことを絶えず脳裏に刻んでおく必要があると共に、職制者は積極的に施設の会議、委員会等に参加し、主張を展開すること、相手の主張を理解すること、相互間の調整をすること、各種会議、委員会等に参加できる機会を作るための働きかけが必要となります。こうした他の職場(集団)との関わりあいが即ち機能(社会性)としての働きであり、また、このような会員個々の働きの集約されたものが日臨技の職能としての働きにほかならないと思います。

 各位のご健闘をお願いします。

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