会員の声

好きこそものの上手なれ?!

奈良市総合医療検査センター 西村 直子

スポーツとは、全くと言ってよい程に縁の無い生活を送っていた私が、テニスを始めてこの秋で7年になります。こんなに長続きし夢中になるとは、回りの人達も驚いたでしょうが、当の本人が一番驚いています。とは言っても技術の方は全然だめで、殆ど段差の無い階段を、ゆっくり登っているような状態です。
 とにかく最初はラケットの振り方も分からず、ボールはとんでもない方向に飛ぶか、空振りのどちらかでしたから、仕方ありませんが。そうは言っても、以前に隣のコートでレッスンを受けていた小学生の男の子が、今年はインターハイに出場すると聞いたりすると、自分の進歩の無さと比べてさすがにがっくりとしますが…。
 何がそんなに楽しいのかと聞かれれば、やはり第一に、ボールを思う様に打てたときの爽快感でしょうか。ボールを追って夢中で走りまわっている間は、とにかく頭の中がからっぽになるし、余計なことを考える暇もないので、最高の気分転換になります。
 少々の嫌なことやストレスは、テニスをしているうちに忘れるし、テニスが出来るのだから、まあいいか!となる訳です。
 第二に、出来なかったことが少しずつではあるけれど、出来る様になったときの喜びの大きさでしょうか。どうしても苦手なボレーが、何年もかかって少しだけ打てる様になった時に、コーチから言われた「良くなった」の一言がうれしかったこと。“子供は誉めながら育てなさい”とよく言われますが、本当にそのとおり!と大人の私が身をもって実感しました。子育て中の方、良く出来たときは、思いきり誉めてあげて下さいね。益々がんばることはまちがい無しです。
 しかし、一番の大きい理由は、テニスコートでいろいろな人達と出会えることでしょうか。職場と家との往復だけをしていたら、出会えなかったであろう多くの人達と楽しく時間を共有できることが、もしかすると、この7年間、テニスを続けてこられた理由かも知れません。仕事や年令、その他のややこしいことは一切関係無しで、テニスをするという目的のためだけに集まれるグループというのは楽しいものです。学生時代の友人に会う時の楽しさに近いかも知れません。
 試合の結果報告をうれしそうにしてくれる人や、反対に「また負けた。もうあかんわ」と言いながら、次の試合に向けてがんばっている人。試合で、どう攻めるか真剣に話し合っているおじさん達。おこづかいの使い道は、レッスン料やウェアー代が殆どという主婦。毎日の様に練習をしている人。などなど、みんな素敵な顔をしています。
 そして最後に、試合に勝てたときの喜びがあるから、やめられません。と書きたいところですが、こればかりは思う様になりません。何年後かにそう言えていたら良いなと思うのですが、どうなっているでしょうか。好きこそものの上手なれの言葉を信じて、がんばってみようかなという心境です。