各部局本年度の活動方針

渉 外 部  前川 芳明 

1. 自らの資質を向上させるための事業
 (生涯教育研修)
 日臨技の生涯教育研修制度は平成13年度で10年目に入りました。この制度を利用して、大きく成長された会員が数多くいらっしゃいます。反面ほとんど利用されていない方もいます。会員の資質向上の上にどれだけ寄与出来たでしょうか。
 奈臨技の研修状況を数字からみますと、日臨技が設定した研修基準に到達した会員は約1割です。また、約3割の会員は研修に一度も参加されていません。ニーズに基づいた企画を、また参加しやすい時間帯と曜日に企画を立てたいと考えています。
 会員の皆様におかれましては、医療の一翼を担う職種の一員として自らの資質を向上させために、研修会を大いに利用して一層研鑽に励んで頂きたく存じます。

2. 医療および公衆衛生の向上に寄与できる事業
(法人として活動)
 技師会活動の一つの柱に「県民の医療および公衆衛生の向上に応える」事業があります。奈臨技では過去7年間、県民を対象とした講演会を開催してきました。
 本年度も生活習慣病をテーマとした講演会を予定しています。この事業が県民から楽しみに待って頂ける年間行事として定着するように継続して開催していきたいと考えています。

3. お互いの職種を理解するための取り組み
(コ・メディカルとの協調)
 現在の高度な医療を維持発展させるためには多くの専門職種の協力がなくては成り立ちません。奈臨技においても糖尿病デーにおける血糖値測定や糖尿病の子どもたちとのキャンプを通して医師、看護婦、薬剤師、栄養士などの専門職種との交流が深められつつあります。昨年度は新たに橿原市における健康まつりに参加する機会が得られました。今年度も各種行事を通して他団体との交流を深めたいと考えています。


学 術 部  猪木 正允

 今年度は、平成14年度からの新カリキュラムに合わせての研究班再編と今まで行って来ました精度管理事業の統一コントロールサーベイの充実に研究班長と精度管理委員と共に力を合わせて会員のお役に立てるように頑張っていきたいと思っています。
 近い将来、医療を取りまく環境は、平成14年度の保険点数の改定、日本版DRG/PPSの施行、民間企業による病院経営等、大変厳しい物があります。我々も学術面だけではなくこのような局面にも対応出来る組織体制作りが必要かと考えています。以後、各事業について報告します。

@部門別研究班活動について
研修班は12部門に分かれて既存の活動をしてきましたが、平成14年度からは5部門23分野に分かれて活動する事になりました。専門分野が細分化され5部門に関しては総合的な知識を持った人が必要になってくると考えられます。
 今後は将来の医療情勢に合わせた研究班活動を行っていきたいと思っています。
(詳細は研究班活動方針の頁を参照)

A精度管理事業について
今年度もこの委員会は学術部が担当し、16名の委員で下記のごとく活動していきます。
(詳細は各種委員会報告の頁を参照)
1. 統一サーベイの実施
2. 検討会の開催(各サーベイ担当研究班での報告)
3. 精度管理事業調査報告書作成
4. 他団体への啓蒙活動


事 務 局  木田 光雄

本年は、奈臨技法人設立15周年・設立45年にあたり11月18日に記念式典と記念講演を開催する予定です。この機会に先人のあゆみを振り返り、今後のあり方を考えてみたいと思っております。
 4月より新たに日臨技会員管理システムがスタートしました。移行期の現在、少々戸惑いもありますがミスのないよう処理しなければと思っております。奈臨技のインターネットホームページも開設され、第一歩を踏み出しました。継続することは容易なことではありませんが、会員の皆様をはじめ各方面の方々にご協力いただき、皆様の利用しやすいよりよいものに育つことを念願しております。
 本年は、会の維持・運営に支障を来たさないよう、十数年来据え置かれてきた奈臨技会費(現行1,700円)の見直しも充分に行う必要があり、ときには皆様にもご協力をお願いすることになろうかと存じます。その節にはよろしくお願いいたします。
 奈臨技地区再編につきましては、地区担当理事諸氏を中心に検討委員会を設け、本年中に原案を作成し、皆様にお示しできるかと思います。
 事務局としていたらないところが多々ありますが、この一年間よろしくお願いいたします。


組織法規部  増谷 喬之

 平成13年度組織法規部の活動は、本年3月のまほろばに掲載させていただきました、臨床検査業務におけるインシデント実態調査であります。
 インシデント・レポート実態調査については日臨技本部として近く実施されるようですが、これに先駆けて当奈臨技において実施させて頂くことになりました。
 実施期間は約半年間と長い実態調査となっておりますが、各施設の貴重な体験などをインシデント・レポートとしてまとめていただきその内容を分析、日頃の業務に役立つ資料を作成したいと思っております。
 奈臨技インシデント・レポート実態調査には県下33施設の協力を頂いております。6月下旬には施設調査用紙およびインシデント調査用紙の発送を行っております。
 実態調査は日常検査業務の中で医療事故に繋がらなかったが「ヒヤリ」とした出来事、「ハット」した出来事(インシデント)などを12月までの約6ヶ月にわたり、こまめに記録していただき、最終の12月にまとめて組織法規部まで発送していただく予定になっております。
 近年、医事紛争を手掛ける弁護士の増加、権利意識の向上など医事紛争への環境が進んでいる中で、医療機関側の早急的なセーフティーマネージメントの確立が重要となっております。医療事故防止のための安全管理体制の確立は、医療事故防止の基本的な考え方、即ち医療現場にはミスが有り得る事を前提とした安全
対策の構築および事故防止への包括的アプローチの必要性と思われます。
 前者は「人間はエラーをおかす」と言う前提に基づき事故やニアミスに関する情報を収集、これらの分析結果に基づき、医療現場に意思決定に必要な情報支援とハ
ード面(システム)の見直しを組織的に支援することによって安全性を確保する。後者は、事故防止はある一つの方法で解決出来るものではなく、業務や活動を通してシステムの見直しと強化(医療の質の向上)、そして様
々な取り組みを積極的に活用機能させていくことが包括的アプローチであって、これが臨床的リスク管理(クリニカル・リスクマネージメント)であります。
 事故の背後には多くのニアミスが隠れており、その頻度も高くそこには必ずヒューマン・エラーが存在しているため、事故防止対策において取り組むべき重要な課題であります。危機管理の組織的な取り組みと徹底強化が望まれます。臨床検査業務における我々の使命の一つに、臨床検査データーの質の保証があります。しかし“人間はエラーをおかす”ものであります。もしミスが発生したとしても最小限に抑えることにあり、ニアミスを繰り返さないためにもインシデントについての情報をこまめに収集・分析して日常検査業務に役立てていく方策をとらなければなりません。
 インシデント・レポートの情報収集方法としては、検査室内における“ヒヤリ”とした体験、“あっ”と感じた出来事等の潜在的なリスクまたはインシデントを詳細に事実をして収集することにあります。日常検査業務において「こんな事ぐらい」は報告しなくてもいいなどと個々に判断をするのではなく、全ての出来事を収集することが重要で、その結果、収集し得た出来事を各施設のリスクマネージャーが内容分析を行い、定期的に報告し問題点の惹起、具体的防止対策を講じることが重要となります。
 またインシデント・レポートは基本的に報告者や部門の責任者や体制を問題にするものではなく検査室内で発生したインシデントを全て吸い上げることが主目的であって、その趣旨を十分理解してもらうことが重要と思われます。
 最後に本調査に協力いただいております各施設責任者の方々には12月までのご協力に感謝申し上げますとともに、インシデント内容につきましては出来る限り、どんな小さな事例でも結構ですので情報としてご提供していただきます様、重ねてご協力の程お願い致します。


事 業 部  倉本 哲央

21世紀に先立ち、世間はIT革命に、特に我が日本は必死に世界に追いつこうと努力しています。医療界においても、臨床検査部門は遺伝子診断や治療を行う医療機関を対象にデータの管理・分析を行うアプリケーション・サービス・プロバイザーを構築し、医療・福祉分野を総合的にカバーする情報技術(IT革命)にも研究されています。奈臨技においてもようやく、インターネット等を通じて改革がなされていますが、今後の検査技師会の方針をどのように活動するかさらなる努力が必要だと思います。
 私は、今年度の日臨技の総会に出席させていただきましたが、その中の事業部の無料職業紹介事業では日臨技に求職・求人について登録制度になっていますが、当県は全国平均よりかなり多く活発に日臨技に報告されていたと思います。
 但し、日々雇用等の急を要する件については、奈臨技ニュースに掲載して後程、日臨技に報告しております。
 この日々雇用の問い合わせが、毎月数件ありますが、殆ど奈臨技の会員に入会していない方が多く、少しでも多くの会員が誕生するよう、各人に啓蒙しています。
 事業部として、今年度も少しでも、奈臨技の活動について側面から協力していきたいと存じます。


広 報 部  稲垣 明

 平成13年度も会員の皆様に少しでも満足していただける広報活動をしたいと思います。
 会誌『まほろば』については前年度よりB5版からA4版になり、活字も大きくなり読みやすくなっています。内容は会員の皆様のご協力もあり充実したものとなっていると思います。しかし、原稿はなかなか集まりません。これからも一層のご協力をお願いします。
 学術論文などは専門学会等に発表し、他部門の会員の目に触れないものを論文にまとめていただいたものなど大いに歓迎いたします。トピックスは今、社会で話題になっている事柄など分野は問いません。部門別の研修会報告なども大いに歓迎します。また、会員の広場的なものがとくに読まれているようですので、旅行記などは身近な旅行から希な僻地への旅行などの原稿を待っています。会員の声欄は特に決まったテーマはありませんので、どんな内容でもけっこうです。特技、体験記、本の紹介などなんでもお願いします。
 今年度は例年と同様に会誌『まほろば』を2回、会員名簿を1回、奈臨技ニュースを毎月1回、年12回発刊する予定です。発刊物は全ての会員の皆様の意見、投稿があって初めて成り立つものです。積極的なご投稿をお待ちしています。


福利厚生部  辻村 明美

 昨年度よリ引き続き福利厚生部を担当しております。今までの理事の方々が築き上げてきたボウリングなどの球技大会や地区懇談会は、技師会活動として定着しており引き続き実施したいと思います。賛助会員の積極的な参加も増えていますので会員の方々で企画して欲しいものがありましたら是非ご意見をお寄せ下さい。
 12月には一般研修と合同でワイン講習会を開催します。多数の参加を希望しています。
 スキー同好会活動は森嶋幹事の企画で開催していますのでふるってご参加下さい。ゴルフ同好会は近年参加者が集まらず中断しています。しかしながら池下幹事は再開する事に熱意を持っています。ゴルフの好きな方は是非池下さんにアピールして下さい。
 スキー同好会については森嶋良一(奈良医科大病院)に連絡下さい。慶弔関係についても従来通りですので、事例の発生時には速やかに連絡下されば幸いです。要望企画、慶弔に関する連絡は下記の通りです。
 要望企画、慶弔: 辻村明美(県立奈良病院)

 より一層の会員及び賛助会員の親睦・交流を図り技師の活動を活発にすることは大切なことと考えます。会員皆様の協力をお願いします。