学会参加記

第50回日本医学検査学会に参加して

県立三室病院 内池 敬男

平成13年5月24日から26日の3日間、東京の有楽町にある東京国際フォーラムで第50回日本医学検査学会が催されました。
 今回は第50回の節目に当たるため会期も3日間と1日延長され、記念式典には天皇、皇后両陛下をお迎えして盛大に行われました。
 私も近畿の学会には毎年のように参加していますが、全国学会には久しく行けずにいたのでこの機会にと思い東京へと出かけました。
 会場は、東京駅から歩いて10分位の所にありガラス張りの大きなメインビルと各4棟の地下2階、地上8階のビル各々ブリッジで結ばれた超近代的な建物でした。また、会場周辺も緑が多く大阪よりも自然に恵まれた感じがしました。
 当日はあいにく一日雨模様で傘が手放せない状態で少しうっとおしい気分でしたが、会場に着くとその大きさにしばし圧倒され、さすが全国学会と、圧倒される感がありました。
 さっそく記念式典に参加すべく、受付で会費を払いメインホールにむかいましたが、天皇、皇后両陛下をお迎えしての式典だけあってスタッフの人数の多さとチェックの厳しさにまたまたおどろかされました。
 予め郵送されていた入場許可の葉書を何度もチェックされ、手荷物はすべてクロークに預けさせられました。
やっと会場内に入り席に座った頃にはかなり疲れていました。
 メインホールはかなり広く設備も整った所で座席も広くゆったりしていました。
もうすでに多くの人が来られていましたが、シーンと静まりかえっていて天皇、皇后両陛下に直にお目にかかる緊張感にあふれていました。そのうちオーケストラによる生演奏が始まり、「おや、いつもの記念式典とはだいぶちがうな!」と思っているうちに厳かに式典が始まりました。
 両陛下は静かにしかも貴賓をもってご入場されました。会長による開会の挨拶のあと天皇陛下よりお言葉を賜り国民の健康維持のためチーム医療の一員としてより一層の努力をしなければいけないと、身の引きしまる思いをしました。あっというまに式典も終わり両陛下も退出されましたが、会場内はしばし水を打ったような静けさでした。
 2日目は前日と打って変わって朝から良い天気でした。昨日その美しさで圧倒された、メインの会場であるガラスホールはビル全体が総ガラス張のため、まるで温室状態で5月というのに異常に暑くこりゃ真夏は大変だ!と逆に驚かされました。
 この日は生理検査のシンポジウムに参加しました。テーマは生理検査でのリスク管理でした。全国から来られたシンポジストの方々より貴重な体験や意見、提案を聞きながら自施設での問題点について考えさせられました。
 3日目は微生物検査の院内感染防止対策のシンポジウムを聞きました。
会場には沢山の方がこられ入りきれない状態で、通路につめて床に直に座ってきいている状態に各シンポジストの方々も自分の席を会場の人に譲って立ったままお話しされておられました。改めて院内感染防止対策の関心の深さ、切実さを思い知らされました。
 久しぶりに全国学会に参加しあれもこれもと欲張っている内に、あっという間にすぎた3日間でした。頭に入りきらない情報とパンフレットやおみやげ物で行きより重くなった荷物をぶら下げながらも心に少しの充実感をもって帰宅したのでした。