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奈臨技ニュース
平成23年 7月号
第206号 2011年 7月 1日

*第60回日本医学検査学会に参加して*


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6月4、5日に東京国際フォーラムにて日本医学検査学会が開催されました。
関東地域は関西地域に比べ節電への取り組みが強く行われており、エアコンの温度、電車の数に制限がされていました。東京に行き改めて自分たちでも出来る身近な節電に取り組む必要性を再認識しました。会場の外は30℃を超える猛暑で、これから夏を迎える中、節電意識も大事だが熱中症対策も気を付けていただきたいと思いました。

余談はさておき、本学会のメインテーマは『未来に繋がる臨床検査の創出』とされており、新たな知見および今後の検査技師の役割についての企画がされていました。

特別講演は、iPS細胞を用いた今後の医療について京都大学iPS細胞研究所の中畑龍俊先生のご講演でした。iPS細胞はご存知の通り、自己複製能と多分化能を持った細胞で患者自身からiPS細胞を作ることができれば、免疫拒絶反応も心配する必要がなく、移植用の組織や臓器を作りだすことが可能となる。それ以外として、神経疾患において脳組織など採取困難な細胞の場合、iPS細胞を用いることで様々な神経細胞、グリア細胞に分化させ、診断や病態を解析することが理論上可能になるとのこと。現在では分子標的治療として肺癌患者に対しイレッサ、乳癌患者にハーセプチンといった治療法も確立されつつあり、10年、20年後の再生医療および癌のテーラーメード治療の発展に期待が高まりました。

本会の一般演題数は600を超える演題数があり、まれな症例報告や各施設で行われている工夫など様々な報告がされていました。本会はメイン会場を除くと各会場150〜200名くらい収容可能な会場であったにもかかわらず、各会場で人が満席状態になっており、活気に溢れた学会となっていました。

(文責 天理よろづ相談所病院 潮崎 裕也)




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平成23年度奈良県臨床衛生検査技師会精度管理調査のご案内


資料及び手引き書送付日 : 7月5日(火)
(例年の通り、「細胞診検査」「一般検査」「微生物検査」  
のフォトサーベイは7/6より、こちらのサイトにて行います)

サーベイ報告締め切り日 : 7月15日(金) 必着


こちらの平成23年度精度管理調査をご覧ください
(クリックしてください)
すべての解答欄に記入後、送付お願いします。.




生涯教育研修会のお知らせ



尿沈渣検査講義 非上皮細胞類・上皮細胞類編 〔 専門-20 〕
〜尿沈渣検査法GP1-P4に基づいて〜

講 師 :中村 彰宏 会員、池内 和代 会員(天理よろづ相談所病院)

日 時 :平成23年7月22日(金)18時30分〜20時30分
会 場 :天理よろづ相談所病院 入院棟南別館4階会議室

担 当 :一般検査分野(生涯教育研修:専門−20)
会 費 :無料(非会員:500円)   

【要旨】
このたび、ついに待望の『尿沈渣検査法2010』が上梓されました。尿沈渣検査法2000からの変更点も含めた解説を予定しております。

【問い合わせ先】
中村 彰宏(天理よろづ相談所病院)
Tel 0742-27-9502 (191)   e-mail: nakamurium_a802@yahoo.co.jp



脳神経定期勉強会 2 〔 専門-20 〕

講 師 :原田 譲 会員(天理よろづ相談所病院)

日 時 :平成23年7月22日(金)18時30分〜19時30分
会 場 :天理よろづ相談所病院 南別館2階 神経機能検査室

担 当 :神経検査分野(生涯教育研修:専門−20)
会 費 :無料(非会員:500円)

【要旨】
今回の定期勉強会は、てんかん発作時の脳波についてさまざまな症例を分かりやすく説明していただきます。

【問い合わせ先】
小林 昌弘(天理よろづ相談所病院) Tel 0743-63-5661 (8923)



グラム陰性菌の抗菌薬耐性とその検査 〔 専門-20 〕
-βラクタマーゼを中心に-    


講 師 :山崎 勝利 技師 (和歌山労災病院)

日 時 :平成23年7月23日(土)15時30分〜17時00分
会 場 :奈良県立医科大学附属病院 臨床大会議室

担 当 :微生物検査分野(生涯教育研修:専門−20)
会 費 :無料(非会員:500円)   

【要旨】
最近、グラム陰性桿菌の耐性菌が話題になっています。
KPC, MDRA, NDM-1..耐性菌の通称名称が増えて行く中、日常検査のなかでどれだけ網羅できているでしょうか?
複雑になってきた耐性菌を見逃さないための日常検査法とはなにかβラクタマーゼ産生菌研究をされている講師にじっくり講義していただきます。
明日からの検査にとりいれていく一つの機会になれば思っています。

【問い合わせ先】
福田 砂織 (天理よろづ相談所病院)
Tel 0743-63-5611 (8665)   e-mail:fukucha_choko@yahoo.co.jp



超音波定期勉強会4 〔 専門-20 〕
「心電図から心エコー所見を推測する」
 

講 師 :高橋 秀一 会員(天理よろづ相談所病院)

日 時 :平成23年7月27日(水)18時30分〜19時30分
会 場 :天理よろづ相談所病院 入院棟 地下会議室

担 当 :画像検査分野(生涯教育研修:専門−20)
会 費 :無料(非会員:500円)   

【要旨】
循環器検査の基本である心電図波形をふまえて心エコー検査を行なうにはどのようにすればよいか、考えてみましょう。
症例やご質問なども歓迎します。ビデオ等の資料をご持参下さい。

【問い合わせ先】
松下 陽子(天理よろづ相談所病院)
Tel 0743-63-5611(8989)  e-mail:cp-us@tenriyorozu-hp.or.jp



輸血療法の実施に関する指針&カリウム吸着フィルター取り扱いについて〔 専門-20 〕

講 師 :山根 敏子 氏(奈良県赤十字血液センター技術課)

日 時 :平成23年7月29日(金)18時30分〜20時00分
会 場 :奈良県赤十字血液センター

担 当 :輸血・移植検査分野(生涯教育研修:専門−20)
会 費 :無料(非会員:500円)   

【要旨】
・血液製剤の遡及調査について。
・「輸血療法の実施に関する指針」(改訂版)検査技師に係る内容について。
・血液センターの集約化・広域化について。
川澄化学工業様には、カリウム吸着フィルターの取り扱いについて講義して頂きます。

【問い合わせ先】
松本 克也(市立奈良病院)
Tel 0742-27-9502 (191)  e-mail: sdnmp920@yahoo.co.jp



尿沈渣検査講義 微生物寄生虫類・自動機器・円柱類編 〔 専門-20 〕
〜尿沈渣検査法GP1-P4に基づいて〜

講 師 :下村 志帆 会員 (県立医科大学附属病院)、久保 俊美 会員 (天理よろづ相談所病院)

日 時 :平成23年7月29日(金)18時30分〜20時30分
会 場 :奈良県立医科大学附属病院 中検技局

担 当 :一般検査分野(生涯教育研修:専門−20)
会 費 :無料(非会員:500円)   

【要旨】
このたび上梓されました『尿沈渣検査法GP1-P4』に基づいた研修会を開催致します。
本指針には自動機器に関する記載も盛り込まれておりますので、自動機器の内容も含める予定をしております。

【問い合わせ先】
中村 彰宏(天理よろづ相談所病院)
Tel 0742-27-9502 (191)  e-mail:nakamurium_a802@yahoo.co.jp



基準範囲を求めるための統計の基礎〔 専門-20 〕

講 師 :山本 慶和 会員(天理よろづ相談所病院)

日 時 :平成23年7月29日(金)18時30分〜20時00分
会 場 :天理よろづ相談所病院 外来診療棟5階中会議室

担 当 :臨床化学検査分野(生涯教育研修:専門−20)
会 費 :無料(非会員:500円)

【要旨】
基準範囲については、いろいろな統計を用いて求めています。
今年の医学検査の4月号に日臨技として掲載されておりますが、日臨技で中心となって活動され、奈臨技学会でも特別講演をしてもらった当会の会長である山本慶和会長に、統計の基礎についてわかりやすく話しをしてもらいます。
統計について少し理解を深めたい方、基準範囲の求め方に興味のあるかた、是非参加して下さい。

【問い合わせ先】
猪田 猛久(天理よろづ相談所病院)
Tel 0743-63-5611 (8995)  e-mail: ida@tenriyorozu.jp






≪ 症例紹介 ≫


貧血の精査中にCTおよびPET検査にて腹腔動脈、大動脈周囲にリンパ節腫脹を認める。


<末梢血液および生化学検査>
WBC:5.5×103/μl,Hb:7.5g/dl,PLT:18.6×104/μl,Ret:1.5%
Ly:34%,Mono:3%,Eo:3%,N.seg:57%,N.band:3% ,
PT:11.8sec,APTT:28.2sec,FDP:5μg/ml,UN:32.1ml/dl,
Cre:3.5mg/dl,UA:7.4mg/dl,TP:6.5g/dl,ALB:4.0g/dl,
Glob:2.5 g/dl ,T-Bil:0.5mg/dl,LD:301U/l,ALP:201U/l,
Ca:9.9mg/dl,IgG:780mg/dl,IgA:57mg/dl,IgM:16mg/dl,
IgD:272mg/dl,フェリチン:577ng/dl,sIL-2R:2455U/ml,肝酵素異常なし
<血清蛋白分画>
TP:6.5g/dl,ALB:4.0g/dl,Glob:2.5 g/dl
α1:4.9%,αα2:10.9%,β:11.5%,γ:11.6%,MP(‐)
<尿一般検査>
pH:6.5,蛋白:3+,糖:−,潜血:2+
<骨髄検査>

Hypocellular marrow
Plasmocyteを11.7%認める。形態は中〜大型、
核は円形で偏在傾向、核網はやや粗剛で不明瞭
な核小体を認める。細胞質は塩基性が強く核周
明庭は不明瞭。2〜4核の細胞を認める。

<細胞表面マーカー>
細胞構成はT/NK細胞系約38%、B細胞系約13%、Plasmocyte19%であった。Plasmocyteの
ほとんどはcIgλδTypeにmonoclonalityを有する細胞でphenotypeはpanB−,CD38++,138+,
HLA-DR−,56−,10−であった。またDNA量はDNA Index=1.00のdiploid cellsであった。
<画像検査>

CT所見:肝門部から膵周囲、傍大動脈に多数の軟部腫瘤を認める。腸間膜にも多数の小リンパ節を認める。
肝脾腫なし。骨盤内に少量の腹水あり。頸部〜鎖骨上窩にはリンパ節の病的腫大なし。
PET所見:肝門部から膵周囲、傍大動脈にFDG集積が目立つ。

<考察>

 本症例はsIL-2Rの増加および画像所見より悪性リンパ腫が第一に疑われたものの、血清IgDの増加、骨髄検査
および細胞表面マーカー所見よりIgD型の多発性骨髄腫と診断された。International Myeloma Working Group
診断基準において、本症例は臓器障害(腎障害および貧血)を認め、骨髄におけるPlasmocyteのクローナルな増生
も認めることから、症候性骨髄腫であると考えられた。なおCT上、圧迫骨折等明らかな骨病変は認めなかった。

 IgD型骨髄腫は比較的まれな疾患であり、その頻度は全骨髄腫の0.6〜3.8%と報告されている。特徴は1)血清
総蛋白量が正常域であるものが多い 2)電気泳動でM成分が認められない症例がある。M成分は微量であること
が多い 3)尿B-J蛋白の陽性率が高い 4)腎機能障害の頻度が高い 5)L鎖はλ型が圧倒的に多い 6)性別
はIgG、A型は男女差が見られないのに対し、IgD型は3:1と男性に多い等である。

今回の症例は、TPの増加が見られないこと、明らかなM蛋白を認めなかったこと、腎機能障害が見られたこと、
λ type等から典型的な症例であった。血清IgDや細胞表面マーカーが検査されていない場合、非分泌型多発性骨髄腫
と誤診される可能性があり、注意を要する症例であった。

(天理よろづ相談所病院 永井 直治)




*ちょっと一息*

『青い薔薇・アプローズ』 色の持つ不思議な力



 先日、ある方から青い薔薇『アプローズ』を戴きました。

英語で“the Blue Rose”とは、「不可能・ありえないこと」といったいわば叶わぬ望みの代名詞。それだけ、青い薔薇を咲かせることは不可能なこととされてきました。実際、この薔薇の色は藤紫に近いなと感じました(ちなみに、たまに眼にする真っ青な薔薇は白い薔薇を人工的に色素で染めているだけです…)。その不可能とされてきた青色色素を持つ薔薇を、2004年にサントリーが並々ならぬ努力と14年の歳月をかけて、パンジーの持つ青色色素遺伝子を組み込む方法で開発しました。

 青といえば私の持つ色のイメージは、メーテルリンクの『青い鳥』から連想する「幸福・倖せ」・「清潔」といった良いものと、「哀しみ・冷酷」といった両極端なものになってしまいます。(物事は表裏一体といったところでしょうか…?)
色に対しては、人それぞれに持つイメージは様々で好き嫌いもかなり別れていて、私は贈り物をしたり戴いたりする時に結構な悩みの種になっています。
巷に流行するパワーストーンなるものも、石の持つ効果はその色の持つ効果とたくさんの共通点があるといいます。そういえば風水もそうですね…。

ひとことに 『色』といってもあなどれないです・・・。

さて、この『アプローズ』花言葉は「夢、叶う」。この花をくださった方の御気持ちを大切にこれから先、私も努力を重ねて、色の持つパワーもお借りしつつ たくさんの『夢』を叶えていきたいと思っています。


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** 近臨技 病理細胞検査部門研修会のご案内 **



【テーマ】

* 甲状腺を基礎から学ぶ *
【会 期】 平成23年8月27日(土) 13:00〜17:30
【会 場】 関西医科大学附属滝井病院(予定)
【内容】

・甲状腺ホルモンから腫瘍マーカーの基礎を学ぶ    ・症例検討会
・甲状腺超音波画像の見方について    ・甲状腺疾患の病理

【評価点】 専門教科 20点(日臨技会員証または各府県技師会会員証をお持ち下さい。)   
【受講料】 3,000円
【定 員】 100名(事前申し込み制) 先着順に受け付け、定員になり次第締め切ります。
【受付期間】 平成23年6月1日(月)〜6月30日(木)
【申し込み方法】 メールでの申し込み、または電話連絡後FAX可
【問い合わせ先】 兵庫県臨床検査研究所 検査部 川嶋雅也 
TEL:079-267-1251 FAX:079-267-1445
詳細および
申込書
こちらをクリックしてください
http://naraamt.or.jp/Academic/kensyuukai/annai/2011kinki_byouri.html
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奈臨技行事予定(7月)


7月

行事(略)

担当

7月

行事(略)

担当

1

 

 

18

 

 

2

 

 

19

 

 

3

 

 

20

 

 

4

 

 

21

 

 

5

 

 

22

脳神経定期勉強会2

神経検査

6

 

 

 

 

尿沈査検査講義 非上皮細胞・・

一般検査

7

 

 

23

グラム陰性菌の抗菌薬耐性と・・

微生物検査

8

きれいにとれる呼吸機能検査・・

機能検査

24

 

 

9

 

 

25

 

 

10

 

 

26

 

 

11

 

 

27

超音波定期勉強会4

画像検査

12

 

 

28

 

 

13

 

 

29

輸血療法の実施に関する指針・・

輸血・移稙

14

 

 

 

尿沈査検査講義 微生物寄生・・

一般検査

15

 

 

 

 

基準範囲を求めるための統計・・

臨床化学

16

 

 

30

 

 

17

 

 

31

 

 

行事参加前には当ホームページで変更の有無をご確認下さい。


今年も半期が過ぎ去り、早いもので7月です。本格的な夏の到来です。

ところで、昨年の夏は観測史上最高の猛暑だったことを覚えていますか?
熱中症で倒れる、命を落とす方々が続出しました。
暑さ対策として様々な方法やグッズが提唱されましたね。今年の夏は、震災の影響で過去最悪の
電力不足が予想される『節電の夏』。
ひとりひとりが意識を持って、昨年得た知識や経験を活かしてエコに努めたいものです。だから
と言って無理は禁物です。
まずは体が資本です。しっかり食べて、充分な睡眠をとって、元気にこの夏を乗り切りましょう。

広報一同 



携帯ホームページ始めました!


奈臨技IT委員会

日頃は、奈臨技ホームページにアクセスいただき、ありがとうございます。奈臨技IT委員会です。

昨今は、携帯電話が普及し、携帯電話で情報を得るというかたが増えてまいりました。また、会員のみなさまから、「携帯のホームページはないの?」や「今日の研修会の会場や時間は携帯から見ることはできないの?」などのお声をいただいており、IT委員会でも、携帯電話から気軽にアクセス出来るページを以前から作製したいと考えておりましたが、延び延びになっておりました。

このたび、まずは生涯教育研修会の情報を中心に、携帯電話用ホームページを作製いたしましたので、一度アクセスしていただけますようお願いいたします。              

HPアドレスは、
http://naraamt.or.jp/mobile/index.html です。

また、右のQRコードからもアクセスできますので、ぜひ、ご利用下さい。よろしくお願い申し上げます。



* 奈臨技IT委員会からのお願い *

 奈臨技ホームページを、ご覧頂き有り難うございます。当委員会ではコンテンツ充実に、日ごろ心掛けておりますが、学術資料の更なる充実を図るため、論文、勉強会資料、推薦論文とその要旨などの投稿をお待ちしております。さらに、学術リンク集の掲載に向け、おすすめホームページの調査も行っております。ご協力をお願い致します。

また、奈臨技ホームページの更新状況などをお知らせする、奈臨技メーリングリストサービスも行っております。ご希望の方は、「配信希望」とお書きになり、下記メールアドレスか、TEL/FAXにてお申し込みください(メールアドレスなど個人情報は厳重に管理いたします)。

奈臨技IT委員会

連絡先 大林 準 (天理医学研究所)
(申し訳ありませんが、FAXか電子メールにてお願い申し上げます) 
FAX 0743-63-5611    E-mail: info@naraamt.or.jp




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