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 奈臨技ニュース
平成27年 10月号
第257号 2015年 10月 1日
 



日本検査血液学会学術集会に参加して



天理よろづ相談所病院 高田 旬生

 「日本のど真ん中で学ぼう血液検査」をテーマに第16回日本検査血液学会学術集会が名古屋で開催されました。猛暑の中、2日間に渡り行われた集会には、多くの血液検査関係者が集い、特別講演に加え、教育講演、テクニカルセミナー、181題にものぼる一般演題などが8つの会場に別れて行われており、初めて参加させていただいた私にはどの演題を聞きにいくか迷ってしまうほど大規模なものでした。

 私は2日目からの参加で、午前中には抗凝固療法の演題を中心に聞かせていただきました。知らなかった事が次々と発表される講演は最初から最後まで「なるほど。」と自分の知識不足を痛感させられるもので、とても刺激を与えられました。各施設で経験、検討してきた内容が相反する発表もあり、その際には発表が終わるや否や質疑と応答が飛び交い、とても各施設の熱を感じるものでした。

 午後からは先輩技師の方々と悪性リンパ腫の演題を中心に聞かせていただきました。特にAggressive NK leukemia/lymphomaの症例発表が多くされており、珍しい症例ではありますが、病態の進行が早いため早期の発見、報告の重要性を先輩技師からの説明を交え、学ばせていただきました。

 最後に形態診断のためのケースカンファレンスに参加させていただきました。これは事前に症例の血液データや末梢血液像、骨髄像などがインターネットで見えるようになっており、昼休憩の際に先輩技師とディスカッションをして参加しました。このケースカンファレンスは今回の集会で私が一番勉強になったと感じたもので、症例の追加検査データが少しずつ増えていき、どの段階でどうやって疾患を絞り込むかをいろいろな施設の方が意見を上げていくものでした。症例の判読ポイントに加え、検査技師として臨床側への報告で大切なことなども交え教えていただき、自分が視野の狭い中で症例を考えていたと感じさせられるものでした。

 今回の学術集会で改めて血液検査の奥深さや難しさ、そして楽しさを感じることができました。今後は、この集会に演者としても参加できるよう日々検査技術、知識の向上に精進し、来年8月に福岡で行われる予定の第17回日本検査血液学会学術集会に参加したいと思います。


名古屋国際会議場

 




生涯教育研修会のお知らせ



奈臨技一般検査精度管理報告会〔専門-20〕

講師:尾崎 里美 会員(奈良市総合医療検査センター)

日時:平成27年10月23日(金)18時30分〜19時30分
会場:奈良市総合医療検査センター

担当:一般検査分野(生涯教育研修:専門−20)
会費:無料(非会員:500円)

【要旨】
7月に行われた奈臨技主催の一般分野のサーベイ結果を報告致します。
精度管理に参加されたご施設は、1名以上の参加をお願い致します。

【問い合わせ先】
尾崎 里美(奈良市総合医療検査センター) Tel 0742-33-7875



悪性リンパ腫の診断と治療〔専門-20〕

講師:伊豆津 宏二 医師 (虎の門病院)

日時:平成27年10月24日(土)14時00分〜17時00分
会場:奈良国際フォーラム(旧奈良県新公会堂) 別館2階会議室5

担当:血液検査分野(生涯教育研修:専門−20)
会費:無料(非会員:500円)

【要旨】
今回は『悪性リンパ腫の診断と治療』についての研修会を開催します。
第1部では、症例を用いたカンファレンスを会員施設より2題、特別講演として虎の門病院血液内科部長の伊豆津 宏二先生に悪性リンパ腫の診断と治療について、検査担当者のスキルに合わせた御講演をお願いしています。
血液検査担当者だけでなく、幅広い参加をお待ちしています。

【問い合わせ先】
山口 直子(県立医科大学附属病院 )
Tel 0744-22-3051 (1220) e-mail:nyama@naramed-u.ac.jp



超音波定期勉強会6「消化管の超音波検査について」〔専門-20〕

講師:太田 奈津子 会員(天理よろづ相談所病院)

日時:平成27年10月29日(木)18時30分〜20時00分
会場:天理よろづ相談所病院 外来棟5階中会議室

担当:画像検査分野(生涯教育研修:専門−20)
会費:無料(非会員:500円)

【要旨】
今回の勉強会は、消化管をとりあげます。
消化管はガスが多いので描出しづらく評価が難しいので、苦手意識を持つかたが多いのではないでしょうか。
消化管の解剖と描出方法のコツを症例を交えて、丁寧に分りやすく講義していただきます。
また、症例などありましたら、DVD等の資料と一緒にお持ち寄り下さい。

【問い合わせ先】
廣田 貴代(天理よろづ相談所病院)
Tel 0743-63-5611 (3136) e-mail:cp-pu@tenriyorozu.jp



平成27年度輸血サーベイ検討会〔専門-20〕

講師:中島 久晴 会員・高木 豊雅 会員(奈良県総合医療センター)

日時:平成27年10月30日(金)18時30分〜20時00分
会場:天理よろづ相談所病院 外来棟 5階中会議室

担当:輸血・移植検査分野(生涯教育研修:専門−20)
会費:無料(非会員:500円)

【要旨】
本年度行われた奈臨技輸血部門サーベイの検体を症例として、異常検体の対処方法などをディスカッションしたいと思います。
皆様、奮ってご参加下さい。

【問い合わせ先】
大前 和人(市立奈良病院) Tel 0742-27-9502 (4201)



パラフィン切片からのDNA抽出、 i-densyを用いた変異解析〔専門-20〕

講師:坂本真一 会員(天理よろづ相談所病院)アークレイ株式会社 学術担当 (アークレイ株式会社) 

日時:平成27年11月7日(土)14時00分〜16時00分
会場:天理よろづ相談所病院 南病棟 地下会議室

担当:遺伝子検査分野(生涯教育研修:専門−20)
会費:無料(非会員:500円)

【要旨】
薬剤代謝に関係する遺伝子の塩基配列やがんなどの遺伝子変異を全自動で解析する装置が開発されており、テーラーメイド治療での迅速な治療方針の決定や患者様の副作用の軽減などに寄与することが期待できます。
今回は、i-densyを用いた変異解析の臨床応用および実際についてお話し頂きます。
多数ご参加下さい。

【問い合わせ先】
竹岡 加陽(天理よろづ相談所医学研究所)
Tel0743-63-5611(8677) e-mail:takeoka@tenriyorozu.jp



臨床病理学的情報に注視する尿中形態所見を求めて〔専門-20〕

講師:藤 利夫氏((株)リンテック 検査統轄部)

日時:平成27年11月7日(土)14時30分〜16時45分
会場:奈良市総合臨床検査センター 3階 視聴覚室(10/22に訂正いたしました)

担当:細胞検査分野(生涯教育研修:専門−20)
会費:無料(非会員:500円)

【要旨】
奈臨技細胞部門・病理部門・一般部門の合同研修会です。
尿路系腫瘍を取り巻く、尿沈渣と尿細胞診との共存圏を追求し、特に、異常細胞として、判定の難しい、尿細管上皮の形態学、及び組織、解剖生理学を交えてご講演していただきます。
特に尿細管上皮に関する生理、病態学及び形態学では日本を代表する先生です。
今回は一般検査の方々を中心に行いたいと考えておりますので、会員の皆様、ふるってご参加くださいます様お願いいたします

【問い合わせ先】
安達 博成(奈良市総合医療検査センター)
Tel 0742-33-7875 (209) e-mail:adachi@medical.nara.nara.jp



超音波実技講習会(心臓・腹部)〔専門-20〕

講師:桑野 和代 会員・松下 陽子 会員ほか(天理よろづ相談所病院)

日時:平成27年11月14日(土)14時00分〜17時00分
会場:天理よろづ相談所病院 東病棟1階(新入院棟) 生理検査室 

担当:画像検査分野(生涯教育研修:専門−20)
会費:無料(非会員:500円)

【要旨】
超音波実技講習会を開催します。
領域は心臓と腹部で、講習は並行して進めますので心臓または腹部のいずれかのみの受講が可能です。
講習内容は基礎的な講義と簡単な実技を主とする入門的なものです。

【定員】
心臓は初級者(基本画像の評価)6名、腹部は10名とします。

【申込期間】
平成27年10月12日から11月6日

【申込要領】
e-mailによる申し込みとします。1メールにつき1名とし、1)タイトル「心臓(または腹部)超音波実技講習会受講希望」、2)会員番号,3)氏名,4)施設名,5)希望内容および経験年数を記載して、cp-pu@tenriyorozu.jpまで申し込んでください。
お申し込み後、1週間経っても確認の返信がない場合は電話にてご連絡をお願いいたします。
定員になり次第締め切ります。 なお,多くの施設の方に受講して頂きたく思いますので、複数名の参加希望の施設には調整していただく場合もありますことをご承知ください。

【問い合わせ先】
廣田 貴代(天理よろづ相談所病院)
Tel :0743-63-5611 (3136) e-mail:cp-pu@tenriyorozu.jp



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***平成27年度奈良県臨床検査協議会講演会開催案内***


一昨年に引き続き奈良県臨床検査協議会事業として第3回の講演会を開催致します。

 今回は『市中肺炎を学ぶ』をテーマとし検査をより有効に使っていただくための情報を提供するとともに、臨床の皆様と身近な問題について考えてみたいと存じます。多くの医療関係の方のご参加をお願い致します。

 本協議会は一昨年、臨床検査を診療現場に役立つよう協議すること、および臨床検査の標準化を奈良県下に広く浸透させることを目的として、奈良県、奈良県医師会、奈良県病院協会、日本臨床検査専門医会、日本衛生検査所協会近畿支部、奈良県臨床検査技師会が協力して奈良県臨床検査協議会を設立致しました。皆様の暖かいご支援、ご協力をお願いします。

【テーマ】 「市中肺炎を学ぶ」
【日時】 平成27年11月5日(木)18時00分より20時30分まで
【会場】 奈良県医師会館  橿原市内膳町5-5-8 TEL 0744-22-8502
【入場無料】 (医療関係者のみ)
【問合せ先】 634-0045 橿原市石川町81 TEL 0744-27-1071  大和橿原病院臨床検査科 今田 周二
【会場案内】 近鉄大和八木駅下車、徒歩7分
プログラム

開会の挨拶 奈良県臨床検査協議会会長 竹村 恵史 先生
司会 梅木 弥生 先生 (奈良県県立医科大学附属病院)
講演1市中肺炎の診療        春日 宏友 先生(春日医院院長)
講演2市中肺炎と検査 2-1:細菌検査に適した喀痰の採り方  
枡尾 和江 先生(奈良県総合医療センター)
2-2:薬剤耐性菌状況と微生物学検査報告書の読み方
田中 裕人 先生(ファルコバイオシステムズ)
講演3抗菌薬の選択と使い方 吉田 仁子 先生(奈良県立医科大学附属病院薬剤部)
講演4.高齢者におけるリスクと予防 萱島 すが 先生(天理よろづ相談所病院感染症管理センター)
閉会の挨拶 奈良県臨床検査協議会副会長 阪井 利幸 先生

主催 奈良県臨床検査協議会
協賛 奈良県医師会奈良県病院協会  日本衛生検査所協会近畿支部
日本臨床検査専門医会  奈良県  奈良県臨床検査技師会



***輸血検査講演会のご案内 〜DT解離から酸解離へ〜 ***



行事名
輸血検査講演会 <事前登録制>
日 時
2015年11月21日(土)14:00〜17:15
会 場
アークレイ 京都研究所




超音波医学会認定 超音波検査士



天理よろづ相談所病院 石川 豊

 今回は「認定超音波検査士」の紹介をさせていただきます。第一回の試験は1985年に行われており、近年では2000名近くが一度に受験する大きな試験です。比較的広く知られている認定資格かと思いますが、これから取得を考えている方々に少しでも有益な情報が提供できれば幸いかと思います。

 まず、一言に認定超音波検査士と言っても多くの臨床領域に分かれており、現在では「循環器」、「消化器」、「体表臓器」、「血管」、「泌尿器」、「婦人科」、「健診」の7つの領域があります。奈良県内でも循環器:67名、消化器:105名、体表臓器:37名、血管:26名、泌尿器:25名、婦人科:6名、健診:14名と多くの認定超音波検査士の方がおられます。年に一度行われる試験で一つの領域のみ受験可能で、私は現在まで消化器→血管→泌尿器の順で3年連続受験し、いずれもなんとか合格をいただいておりますが、当院には7つ全ての認定を持つ技師もおり、ただただ尊敬するばかりです。

 次に実際の試験についてですが、受験資格は1)日本国の看護師,准看護師,臨床検査技師,診療放射線技師のいずれかの免許を有すること。2)20xx年12月31日以前に入会し,3年以上継続して,本会の正会員もしくは準会員,または日本超音波検査学会の会員であること。3)本会認定超音波専門医の推薦が得られること。の3つを全て満たす者となります。以上を満たし申請書類を取り寄せ、必要な書類を送るのですが、この時に「20症例の画像付き抄録」の提出が求められます。本試験の前にこの抄録で実績を評価されることになりますが、今まで受験した経験では、この20症例がもっとも高いハードルの様に思います。症例の内容は領域ごとに指定されており、その条件を満たす症例を過去に検査した中から選び、超音波所見および超音波診断を記載します。次に他の画像検査、血液検査、その他カルテの情報を元に臨床との対比や診断に至る経緯などを調べ、最終診断を記載します。最後に超音波検査のキー画像を貼り付けその画像のシェーマを手書きして完成となりますが、この20症例すべての抄録に推薦していただく先生(超音波専門医)の確認、サインが必要となります。
 当施設ではパソコン端末上で報告書を作成しており、超音波画像もサーバーに保存されています。そのため、比較的過去の症例を検索しやすい環境にあると思いますが、それでも20症例を集め、一つ一つ調べていく作業は根気が必要で、毎年締め切りギリギリになってしまいます。また、抄録に記載する用語も超音波医学会が発刊する超音波用語集に則り記載することが必要であり、施設独自の用語や略語には注意しなければいけません。しかし、それぞれの症例を調べていくことで、超音波の検査所見に対する知識を深めるだけでなく、病態や治療に関しても勉強する良い機会となります。

 20症例の画像付き抄録および必要書類の提出、受験料(20,000円)の振り込みが完了し、不備がなければ受験票が届きます。本試験は毎年2月に行われ、「基礎」と選択した「臨床領域」それぞれ35問が、マークシートにて五者択一もしくは五者“択二”の形式で出題されます。近年は2つの解を選ぶ問題の割合が増えている傾向にあるので、回答にかける時間などにも注意が必要と感じました。


「基礎」は学生時代に習ったような、音の性質や、超音波装置の構成、アーチファクト出現の原理など、普段の検査ではあまり意識しないような内容も出題されます。私も学生時代の知識などほとんど頭の中に残っておらず、勉強も手探り状態でしたが、U-S-Academyが主催する勉強会を受講することで知識の整理ができました。この基礎領域の勉強会は上記のもの以外にも複数開催されていますので、一度は受講をお勧めします。また、超音波検査学会からは2012年に特別号として、「超音波基礎技術テキスト」という冊子が刊行されています。こちらは問題集も付属しており、非常に参考になりました。臨床領域では解剖などの基本的な部分から、病気の病態や分類、診断に必要な知識など幅広い問題が出題されます。私は20症例の抄録で得た知識をもとに、はじめは過去問から知識を広げていきましたが、本番では聞いたことのない病名が出てくる問題もあり、諸々の参考書などで幅広く勉強する必要があると思いました。

 試験の流れは以上です。この試験の平均合格率は70%程度だそうで、クリアすれば晴れて超音波検査士として認定され、認定証が交付(認定料5,000円が必要)されます。資格の有効期限は5年とされており、5年ごとの更新手続きが必要となります。更新には関連学会や研修会へ参加することでそれぞれ設定された単位を取得することができ、25単位以上で更新することができます。私はまだ更新期限に達しておりませんが、複数の領域で認定を取得したものは初回の資格取得から5年での更新となります。学会への参加や発表を行い、常に新しい知識や技術に関心を持ち、向上心を持つ必要があるという事だと思います。

 以上、私のつたない経験や感想を交えた認定超音波検査士取得までの流れでした。当院では超音波検査士を取得したからと言って給料に反映される事はありませんが、自分が超音波検査に関してこれだけの知識、技術があるという証明にはなると思います。認定資格の取得を目標とすることで、必ず自らのステップアップに繋がると思いますので、皆様も取得を目指してみてはいかがでしょうか。

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奈臨技行事予定(10月)



*行事参加されるかたは、当ページにて日程・会場の変更の有無を再度ご確認ください



編集後記

つい先日まで猛暑が続いていたかと思えば、急に涼しくなり、すっかり秋めいてきました。“食欲の秋”もいいですが、この季節は日臨技近畿支部医学検査学会をはじめ、多くの学会が予定されており、会員の皆さまも忙しい思いをされていることと思います。発表で悩んでいる方、職場はもとより奈臨技各分野でも相談に乗ってくれる技師はたくさんいると思います。頑張って奈臨技の底力を見せつけましょう!!

広報委員一同広報委員




* 奈臨技IT委員会からのお願い *

 奈臨技ホームページを、ご覧頂き有り難うございます。当委員会ではコンテンツ充実に、日ごろ心掛けておりますが、学術資料の更なる充実を図るため、論文、勉強会資料、推薦論文とその要旨などの投稿をお待ちしております。さらに、学術リンク集の掲載に向け、おすすめホームページの調査も行っております。ご協力をお願い致します。

また、奈臨技ホームページの更新状況などをお知らせする、奈臨技メーリングリストサービスも行っております。ご希望の方は、「配信希望」とお書きになり、下記メールアドレスか、FAXにてお申し込みください(メールアドレスなど個人情報は厳重に管理いたします)。

奈臨技IT委員会

連絡先 大林 準 (天理医学研究所)
(申し訳ありませんが、FAXか電子メールにてお願い申し上げます) 
FAX 0743-63-5611    e-mail:: info@naraamt.or.jp



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