『認定病理検査技師』制度は、日本臨床衛生検査技師会と日本病理学会が協働して、平成26年度に創設された認定制度です。病理診断の基盤となる病理検査業務における臨床検査技師の技術や能力を保証し認定するものと位置付けられており、その創設目的は「臨床に関わる病理検査の適切な利用と、検査結果を最大限に診療に反映させるために、専門知識および高度な技術に対応できる検査資格者の育成を図り、病理検査の発展と普及を促進すること」また「精度保証を通して、医療の安全と患者の安心を守り、国民医療の向上に寄与する」とされています。
私は、昨年度(平成26年度)の第一回認定病理検査技師試験を受けました。私が受験した年は、東京、大阪の二か所の試験会場が設けられましたが、本年度の試験会場は東京のみとなっていました。
受験資格ですが1)臨床検査技師で日臨技会員であること、2)「日臨技生涯教育研修制度」修了者であること(私はこの修了証書を紛失してしまい日臨技に再発行をおねがいしました・・・大切に保管しておきましょう)、3)認定病理検査技師制度受験資格取得指定講習会を受講したもの(7月に東京で3日間行われました)、4)病理検査業務に5年以上従事していること、5)日本病理学会会員の医師または施設長が推薦する臨床検査技師の5項目全てを満たす者とされています。受験料は20000円で、合格後の登録料が5000円となっています。
試験は、マークシート(60問 120分)、記述問題2問+小論文1200字(100分)でした。試験の範囲・内容ですが、指定講習会を受けてやっと試験範囲がわかるといった感じで、かなり範囲が幅広く困惑したのを覚えています。専門性が高い内容ではないのですが、病理診断に関わる全ての検査法や剖検業務に関する技術・知識等は当たり前として、法的知識、作業環境整備、感染対策、医療廃棄物の適正処理、毒劇物の管理、マネジメントなど病理に関わる全てのことを一定の基準で理解しておかないといけないと感じました。また、小論文にも困惑したのを覚えています。小論文を書くのが高校生以来の事であり、全く自信がなかったので、まず本屋に行って「小論文の書き方〜超基礎編〜」という本を買いました。私が受験した時は、一つテーマが与えられ、三つの指定されたキーワードを必ず用いなさいという内容でした。100分で記述問題2問と小論文を書かないといけないので非常に焦りました。自分のように短時間で文章を構成することに慣れていない人は、ある程度訓練しておかないといけないと思います。
資格取得後は、5年間の認定期間が与えられ、5年間経過すると認定更新が必要となります。更新要件は1)認定期間内に日臨技生涯教育研修制度の修了証書を取得していること、2)認定センターが主催する特定講習会を1回以上受講していること、3)認定期間内に更新単位を150単位以上取得し、資格更新履修表の区分A〜D(Aは基礎、Bは技術1、C技術2、Dはマネジメントに関する講義のことと定義)について各20単位以上を取得していることの三つが必要となります。
以上、認定病理検査技師について紹介させていただきました。今回受験させていただき、普段から病理に関するすべての事に意識を持って業務することが大切であると感じました。受験を考えておられる方は、この意識を持ち続けて毎日の業務に従事される事が合格への近道だと思われます。