ご挨拶・奈良県臨床検査技師会・情報システム研究班
情報システム研究班は他の研究班と異なり日常の病院検査室での実際の部屋や部署と言った体裁はありません。しいて言えば検査室のデーターが集中する検査室中央コンピューター室がそれに相当するのかもしれません。しかし社会の情報が全てデジタルでコンピュータ化されているというわけでもないように(むしろ口コミなどの昔ながらの情報の方がより威力を発揮するケースも多々あります。)、検査技師から医師や看護婦あるいは医事課の職員への口頭での上申やアドバイスが患者さんたちにとってより付加価値のある場合もあります。要は臨床検査情報をどう臨床的に情報としてより価値のあるものにできるかを研究するのが情報システム研究班の目的です。
また、臨床検査自体が色々な分類が可能ですが、体から強制的に採取(採血した血液や手術後のがん細胞など)あるいは体の不用物(尿や便など)を採取してその成分について科学的に分析する検体計測や、人体がはじめから持っている物理量すなわち呼吸数、心拍数、血圧、細胞の電気化学現象などをトランスジューサー(変換機)を介してデーターとしてとりだす生理学的検査の2つに分ける方法が一般的です。前者に相当する検査が血液検査、細菌検査、生化学的検査などで、後者に相当するのが、心電図、脳波、心臓超音波、呼吸機能検査などです。臨床検査技師会の重要な学術活動の中の各研究班活動は以上のような区分に基ずいて、血液検査研究班、生理検査研究班、遺伝子検査研究班などに分けられた上で活動しています。情報システム研究班はこのように区分された各研究班の活動上当然発生する共通の臨床検査情報をいかに扱うかを追求する研究班です。ですから各研究班活動の臨床検査情報の情報部分だけに注目すれば各研究班自体が情報システム研究班でもあるわけです。