「DRG/PPSについて」−包括医療費制度と検査−(5/6)

(5)我が国でのDRG/PPS試行

「急性期入院医療定額払い方式試行」実施について
◎趣旨
 国立病院等に為いて急性期入院医療の定額払い方式を試行することにより、入院期問や診療内容、病院経営管理の変化等を把握し、今後の医療制度及び医療保険制度改革の墓礎資料とする。なお、当該検討結果に基づき、試行方法についても必要に応じ見直しを行うこととする。
◎実施方法
・試行の概要
試行対象病院における対象患者に係る療養に要する費用の一部については、診断群分類毎に定額の診療報酬を支払う。
・試行対象病院(試行対象病院の選定基準)以下の10病院に為いて試行する。国立仙台病院、国立埼玉病院、国立千葉病院、国立豊橋病院、国立神戸病院、国立南和歌山病院、国立岡山病院、国立病院九州医療センター、岐阜社会保険病院、健康保険諌早総合病院
・対象患者
 試行対象病院の一般病棟における入院患者であって、別表1に定める診断群分類に該当するものを試行の対象患者とする。ただし、以下の者を除く。ア。年齢15歳未満の患者イ。一連の入院治療が完結しないうちに、他の医療機関に転院した患者、他の医療機関から転院してきた患者ウ。治験の対象となっている患者エ。検査入院(診療内容が主として検査と画像診断であるような入院)の患者
・試行期間
本試行は当面、試行の評価も含めて5年間を目途に実施するものとする。

 表5 今回の試行10病院の施設選定基準
1 標榜診療科 一定数以上の診療科を標携していること(従来の総合病院程度)
2 平均在院日数 おおむね30日以内であること。
3 看護体制 新看護料2.5:1以上相当であること。
4 診療計画策定体制 入院時に原則として全患者に対して関係職種が共同して計画を策定し、患者に説明できる体制にあること。
5 病歴管理体制 退院時記録等の作成など、適切な病歴管理体制を有していること。
6 レセプトデータの管理体制 レセプトデータを電子データとして提供できる体制にあること。

・急性期入院患者調査(基礎患者調査)の対象となる医療機関の選定
選定すべき医療機関については上記のような施設基準を定めた。そして国立病院、社会保険病院のうちから、これらの条件を満たしている10病院を試行対象病院として選定した。

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