まず、APLの染色体異常の概要について.
・APLはAMLの8〜15%にみられる異常で、欧米より日本の方が頻度はやや高くみられる.
・APLは小児より成人に多く75%以上が成人.
・15;17転座はAPLに特異的な転座.(CMLの前骨髄性急性転化例においてPhに付加的異常として報告がある)
・15番染色体長腕q22と17番染色体長腕q21との相互転座.(相互転座により15q22に位置
するPML遺伝子と17q21に位置するRARα遺伝子が融合して,PML/ RARαキメラ遺伝子が 形成され変異蛋白を産生)
・標準型の15;17転座が95%以上(99%の報告もある)で,変異型では、11;17転座が5%以下(1%との報告もある),5;17転座が1%以下にみられる.
・約10%にcryptic translocation (隠れた転座)がみられる. (転座による異常が微細で解りにくく,さらに分裂像が不明瞭で判断できない場合、あるいは得られた分裂像が正常細胞の場合がある)
・付加的異常は、+8,ider(17)(q10)等がみられる.(当院ではi(17)(q10)が1症例認められた)