会 長 挨 拶

(社)奈良県臨床衛生検査技師会
   会 長  山 名 正 夫

 会員の皆様には、お元気にて日々の業務や日常生活に精力的に耽り組んでおられることと拝察致します。
 この原稿が皆様のお眼にとまる頃は、過ごし易い季節となっていると思います。私こと、平成14〜15年度の会長を務めさせていただくこととなりました。本年の役員改選の際、ご存知の如く各職場環境は非常に厳しい状況下であり会長職を、この時期に現職者が勤めるのは物理的に困難な状況にあるとのことで引き受け手が無く、止む無く定年退職者の小生にその役割が回ってきたと解釈しております。
 就任以来、日数を経過しており、今更、就任挨拶でもないかとも思いますが、この機会に会員の皆様には、会活動に村してのお願いをもって挨拶に変えさせていただきます。
 会員の皆様には、最初に、以下のお願いを致したいと思います。
 医療、検査技師を取り巻く環境は厳しい状況下にあることは、各位には身をもって感じておられることですから今更解説するまでも無いことと存じます。
まず、ご理解湧きたいことは、会の活動は理事会が請負でするというようなもので無く、理事会ができることは「会員の皆様が日常の業務と生活の中で取り組まれておられることを集大成する」ことに他ならないと言うことであります。
 言いかえれば、会員各位のそれぞれの立場や日常業務での取り組みの積み重ねを臨床検査と検査技師の存在意義として社会的認知へ繋げるということであります。
 日常の取り組みは、大きく分けて学術的な部分と職能的な部分に分かれますが、いずれの部分が欠落してもバランスを欠くことになります。即ち、学術、技術のみの取り組みでは、臨床検査、検査技師の社会的認知につながらないと言うことです。ただ、日常の取り組みで留意いただきたいのは、単に検査技師や施設の立場という狭義の立場でな県民、国民の立場で考えることが重要であるということです。検査技師の立場、施設の立場、県民、国民の立場は必ずしも一致するものとは限らず相反することも多々あります。この県民、国民の立場でものを考えるということは非常に苦しいことでありますが、次の事例を提示します。ご一考ください。
 最近の話題は、食品にかかわる食肉等の間題、野菜や果物の生産地や農薬の問題、高速道路及び同公団に関すること、原子力発電にかかわること、、いずれも大きな社会間題となっています。これらの事件に共通することは、いずれも、団体や企業の立場、論理、利益等を優先する発想から処理されており、「国民の公益」との立場が欠落しているということではないでしょうか。
 これらの事例は、社会的認知を得るためには、自分たちの立場のみを考えることや公益性を無視した団体のエゴは通用しない時代となっていることを物語っております。
 「他人の智恵では、遠くまで行けない」との諺があります。それぞれの立場で、「今しなければならないこと、できること」、「してはいけないこと」を常に考え実践することを、県民、国民の立場でという主体を忘れず取り組まれますようお願いします。
 会は、これらを集約し「一人一人、個々の施設の事例は、全ての会員の事例である」との立場で活動を続けたいと思います。
 次に、会活動への多くの参加をお願いします。ご存知のように当会は社団法人であります。社団法人の活動基本は「公益性」即ち、県民、国民の公益に供するためで、検査技師のためのものではありません。当会は県民、国民の公益と検査技師の立場に立って活動を継続します。
 平成14年度は、既に総会で承認された活動方針に添って活動します。平成15年度からの活動は、より多くの会員の皆様の意見を集約できる方策と方向を検討して行きたいと思います。ご意見をお寄せ頂くと共に、事の大小にかかわらず問題点がありましたらお問い合わせ頂くようお願いします。