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2000年に臨むにあたって

(社)奈良県臨床衛生検査技師会 会 長 山 中 亨

 去る4月16日の奈臨技通常総会に於て、平成12・13年度(社)奈良県臨床衛生検査技師会執行部の任をお与え戴きましたが、昨今の臨床検査や臨床検査技師が抱えて入る問題が山積しており、重責を果たす為に役員一同、一致団結して会務を執行して参りますので、会員諸氏の絶大なるご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。今の我々に振りかかっている問題は、臨床検査技師一人ひとり全員が自覚して置かれている立場を認識して、最大限の努力を払うことが必要と考えます。臨床検査技師が現状の医療態勢の中でどのような役割を果たしているのか、各論的展開が必要なのではないでしょうか。その方策を構築することが第一であると考えます。机上の戦略計画ではどうしようもない程、現実との隔たりがあるように思います。

 医療チ−ムの一員としての臨床検査技師の力量は果たしてどうか、各施設における臨床検査技師の評価はどうか、施設による違いもありましょうから、県下の各施設の会員の思惑と現実を聞かせて戴きたいと考えます。そしてその情報に基づいて一歩アップを目指した運動を導入する上に活かしてゆくことが出来れば良いと考えます。

 今年度は会員に対する迅速な情報提供を大きな方針の柱としたいと考えます。そして一方で会員諸氏からの情報を入手する方策を立てしっかり展開するする必要性があると考えます。その一助になることを願って地区担当理事の部長をお願いいたしました。会員諸氏が当然いち早<入手していなければならないものを、見逃さないためにも組織上の責任を果たしてゆかなければならないと考えます。

 診療報酬の中で臨床検査に関する部分が改訂の度に削減を繰り返していることは、憂慮するべき事態であります。何等かの対策を講じて行かなければならないと考えます。

 今、外部精度管理が報酬を考慮する時の一つのポイントとされましたが、精度管理事業に参加しているか否かであり、真の技術的評価には遠いものであると思います。我々としては精度管理は当然の日常的な管理であって、むしろ技術的因子の大きいものや経費の事実を正しく加味された評価を正当化してほしいと思います。

 近年、臨床検査技師を目指す人達の眼前で展開されている臨床検査(技師)のしめつけを、彼等が頑張って上を目指そうと気持を奮い立たせるのか、将来を失望視するのかは先輩である我々が問題に取り組む姿勢で決まるのではないかと思います。臨床検査技師にできることを積極的に取り込んでゆく努力を払ってゆく中でチ−ムからの必然的な評価により業務拡大が図られてゆけばよいと考えます。いづれにしても検体検査の自動化は様々なものを招いたといえます。我々は患者サ―ビスを心掛けることでチ―ムの一員としての面目を保ってきた部分があります。次はこの効果をいかに活かすかという真に臨床面での立場の位置付けに力を注ぐ必要があると思います。

 この度、図らずも近畿臨床衛生検査技師会の会長という大役を仰せつかりました。

 これまでもそうであったように近畿は一つという意気統合した近畿各府県の会員の団結の場であると思います。様々な意見もあり各府県はそれぞれの方針の元に日常的な活動が展開され、日頃の研究成果などを持ち寄ってもう一歩前進の発露の場であり、この受皿をもって会員がそれぞれの臨み方をすれぱ、非常に効果的な活動が出来ると考えます。

 そして日臨技(中央)への提言や協力を惜しみなく展開し、日臨技の実力を発揮して戴けるように、各地区技師会の活動も目標を見据えて進むことが大切であると思います。

 これからの二年間、急いで整備しなければならない臨床検査技師の自らの進むべき道を模索し、ご意見を賜りながらで歩んでゆきたいと考えます。ご支援ご協力をお願い申し上げます。

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