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剣豪武蔵とのつき合い

県立五条病院 石本 盛治

 タイトルに宮本武蔵と友達みたいに書いたが、これは吉川英治の小説「宮本武蔵」とのつき合いである。あまり読書の好きでない私が就職した時に最初に読み、年代と共に何回も読み返し、つい先日に何回目かを読み終わりました。

 何故何回もと思われるが、年齢と共に考えが変わり力を入れて読む場所が変化してくるのが分かりました。最初は幼い時代からのチャンバラ遊びの主人公として読み、次は巌流島での小次郎との試合、京都の吉岡清十郎等との決闘がメインであった。次には30才代にはお通との美しい(?)切ない心の交流や友達の又八の進む道について考えさせられた。数年前になりますが細川護煕が総理大臣に任命されたときに宮本武蔵が細川家との関わりがあったのを思い出して読み返しました。先日読み終えた時は何に感銘して読んだのかは今は分かりません。

 剣豪「宮本武蔵」が好きなのか、小説家「吉川英治」の小説が読みやすいのかは分かりませんが、好きな理由の一つは私の生まれ故郷の地名が一回だけ出てくる小説「鳴門秘帖」があるから小説家吉川英治かも知れません。

 インターネットやテレビを見る機会や遊びが増えて、読書をする時間がない?。(検査の本にも目を通して勉強もしない)がこれからは秋が近づいて来ますので読書の秋として仕事の本や小説・雑誌(?)を読もうと思います。

 もう一つは何年か前に他界してしまったさる大阪の病院で勤務していた友との出会いも宮本武蔵である。全国血液研究班活動の中で血液凝固検査の実習講義の雑用係として参加した時にタオルで汗を拭きながら一生懸命に指導していた人に興味を示し何回か出会う内に、居酒屋で飲む機会があり意気投合している時に「俺は宮本武蔵の書いた「五輪書」を愛読している」と言われたが五輪書とは何かも知りませんでした。内容は武蔵が書いたと言われる本の題名であり、「五輪書」は私には内容が難しくて「般若心経」と同じように思えてなりません。しかし、その時の私は五つの輪とはオリンピックのシンボルマークである5大陸の輪を思い出してオリンピックの憲章が書いてある本(?)と勘違いしてしまいました(笑)。

 今年はシドニーでオリンピックが開催されるのを思い出し、金メダルが期待出来る柔道や水泳に「がんばれ日本」と応援しつつ、他界した友に冥福を祈ります。

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