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奈臨技ニュース
平成20年9月号
第172号 2008年 9月 1日

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<第9回日本検査血液学会 学術集会開催される>



 第9回日本検査血液学会学術集会が7月26〜27日三重県津市で開催された。今回、参加された方に新しい話題等を紹介してもらいました。


**はじめに**
先日、北島康介選手が堂々と2大会連続2冠達成しました。息子・娘世代の若者たちがケガやプレッシャーに屈することなく頑張る姿に感動させられます。彼らの姿はおばさんにもエネルギーを与えてくれます。検査血液学会も、モチベーションが下がった時に参加すると効果のある学会です。今回は、若い世代の参加も多く真摯な姿に刺激を受けました。

**特別講演【白血病幹細胞の基礎と臨床】早稲田大学理工学術院 浅野茂隆先生より**
白血病幹細胞(Leukemia Stem Cells:LSC)は、休止期に高い自己複製能をもち、CD34+CD38−の細胞である。LSC以外の白血病細胞は、抗がん剤で効率よく死滅するがLSCの70〜80%程度が死滅せず生き延びる。これは、LSCがゆっくりと分裂し骨芽細胞と接着することで抗がん剤から守られているからである。このLSCの特性をつきとめたことにより、LSCを標的とした新しい治療法の開発に期待がよせられている。

**シンポジウム【MDSの診断-分類の変遷と検査室の対応】より**
MDSは人口の高齢化にともない比較的頻度の高い疾患となってきているため、日常的に軽微な異形成をみとめる血球減少症とMDSとの鑑別に苦慮することが多くなっている。
[不応性貧血(MDS)の形態学的異形成に基づく診断確度区分]では、8つのステップにより構成されており、MDSの除外診断のための必要条件から判定し最終的にWHO分類をおこなうことを原則としている。しかしながら、[ステップ I -D.血球減少の原因となる他の血液疾患と非血液疾患が除外できる]が困難なため観察期間を経ての再度の評価が必要になる場合も多く、われわれの検査室でもよく頭をかかえている。症例の積み重ねによりICUS(idiopathic cytopenias of uncertain significance)とMDSとの関連が明らかになることが期待されている。

 今回の学会テーマは、『血液検査の正しい理解』であった。検査データを臨床に活かすために、検査法の原理や測定条件を理解しデータの正しい解釈の重要性を実感するものでありました。

(文責 県立奈良病院 胡内 久美子)


**日本検査血液学会にはじめて参加しました**
今まで学会は『勉強をしに行く』とか固いイメージしかなかったので、参加する事を拒んでいましたが、今回、津市で開催され、電車で1時間半程の距離なので、遊びに行く感覚で学会に行こうと思う事にしました。すると不思議と楽しくなってきました。会場に着くとやはり7月の夏空の下とは違い会場内は涼しく、しかも今回は司会者・発表者も含め参加者全員がカジュアルな服装での参加という事もあってより気軽に参加できました。

自分は1日目のみ参加し、その1日目の日程は午前中にシンポジウムや一般演題、午後からはランチョンセミナーと総会、特別講演、記念講演、教育講演といったプログラムでした。午前中の一般演題は興味深い内容がたくさんあってどれを聞きに行こうか凄く悩みました。血液検査についての一般演題は形態学や凝固、症例についての発表がほとんどだと思っていたのですが、検体採取についてとかNSTについて等、様々な角度から血液検査に関わっての発表があるのだと知り、ますます興味を持つことが出来ました。それぞれの演題発表も演者の方が、解りやすいスライド、解りやすい講演で、聞き手である側もいろいろと考えながら聞けてとても良かったです。又、自分もそういう立場になった時に、このように堂々と解りやすく話が出来るかとも思い、何故だか少々緊張してしまいました。フロアからの質問やその質問に対しての応答についても非常に勉強になり、今後この様な場で活かせる機会があれば活かせていきたいと思いました。

午後からのランチョンセミナー、特別講演等も血液検査の新たなる視野が拡がる話を聞けてとても勉強になりました。1日だけの参加でしたが、いろんな演題・講演を聞いていろいろな見方があり、いろいろな聞き方があるのだと多くを学ぶ事が出来ました。

今回、検査血液学会に参加した事を活かし今後の自分自身に繋げていきたいと思いました。

(文責 済生会御所病院 吉田 恭教)




《 平成20年岩手・宮城内陸地震 》
義援金にご協力下さい


「平成20年岩手・宮城内陸地震」で被災された方々が1日でも早く日常生活に戻れますように復興支援のための義援金を募ります。義援金は一口100円で何口でも構いません。

また、書き損じの年賀ハガキでも可能です。至急 事務局まで届くようにお願いいたします。

全会員のご協力お願いいたします。




職 場 紹 介
「高井病院」


高井病院 臨床検査科  来島 梨恵子

 当院は、奈良県中央部の天理市に位置した地域密着型の病院です。

患者様一人ひとりの立場に立ち、安全かつ早期の回復を目標としています。昭和56年に51床で開設し、現在本館病棟、東館病棟をあわせ15診療科307床の病院となりました。

 検査部門は2名のスタ−トから現在10名のスタッフで、主に生理検査、採血業務、耳鼻科での検査や、夜間待機、他マルクや吸引細胞診の介助などの業務をおこなっています。生理検査として心電図、呼吸機能検査、脳波検査、神経伝導速度検査、各種エコ−検査(腹部、心臓、甲状腺、乳腺、頚動脈、下肢)を行っています。

 検体検査は検査センタ−によるブランチラボで、生化学緊急項目、血液検査、HbA1c、BNP、止血検査、輸血、一般検査などを随時2〜3名で対応しています。


 忙しい毎日ですが、他施設への研修や医師とのコミュニケ−ションを通して技術の向上を目指し、皆で意見を交わし、助け合いながら努めています


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生涯教育研修会のお知らせ

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Znの有用性:
Zn欠乏症でこんな症状も、Znの意外な効能 〔 専門-20 〕

講 師 :嶋村 幸一郎 氏 株式会社シノテスト 応用技術部

日 時 :平成20年9月19日(金)18時30分〜20時00分 
会 場 :国保中央病院 飛鳥ホール

担 当 :臨床化学検査分野(生涯教育研修:専門−20)
会 費 : 無料(非会員:500円)

【要旨】
内容 Znについては味覚障害と密接な関係が指摘されていましたが、最近ではNSTとの関係や貧血との関係など様々な報告があります。一度Znについて勉強し直すことも良いと思います。 皆さんの参加を待っています。

【問い合わせ先】 
猪田 猛久(天理よろづ相談所病院)Tel 0743-63-5611(7441)
mail : ida@tenriyorozu-hp.or.jp



睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療について  
−症例の提示− 〔 専門-20 〕  

講 師 :大西 徳信 先生 天理市立病院内科(日本睡眠学会認定医)

日 時 :平成20年9月4日(木)18時30分〜20時00分 
会 場 :天理市立病院 5F大会議室

担 当 :機能検査分野(生涯教育研修:専門−20)
会 費 : 無料(非会員:500円)

【要旨】
PSG関係の勉強会は、今年度も4回の呼吸器定期勉強会(PSGについて)を予定しておりますが、技術的なことも踏まえてより臨床的なことにも深く関わりたいとの要望があり、経験豊かな天理市立病院の大西先生に講演をお願いしました。SASの症例を通して、SASと診断されてからの治療や、その治療の結果などについて教えていただきます。この機会に是非参加していただき臨床について触れて頂ければと思います。

【問い合わせ先】 
吉田 和弘(済生会奈良病院) Tel 0742-36-1881(334)



呼吸器定期勉強会(2)     
−実波形を用いての脳波判定(睡眠段階と覚醒反応)−〔 専門-20 〕

講 師 :千崎 香 会員 天理市立病院

日 時 :平成20年9月26日(金)18時45分〜20時00分 
会 場 :県立奈良病院 技師控え室

担 当 :機能検査分野(生涯教育研修:専門−20)
会 費 :無料(非会員:500円)

【要旨】
PSG検査の判定には、呼吸判定の他に脳波判定をする必要がありますが、脳波を見る事で、眠りの深さ(Staging)やREM期をチェックしていきます。PSGの判読・判定に欠かせない睡眠段階の判定方法について分かりやすく説明していただきます。判定方法の中でポイントになる所ですので、是非お誘いあわせのうえお越し下さい。

【問い合わせ先】 
吉田 和弘(済生会奈良病院) Tel 0742-36-1881(334)



心臓超音波定期勉強会3
「心膜・心筋疾患について」〔 専門-20 〕

講 師 :高橋 秀一 会員 天理よろづ相談所病院

日 時 :平成20年9月29日(月)18時30分〜19時30分 
会 場 :天理よろづ相談所病院 本院 地下会議室

担 当 :画像検査分野(生涯教育研修:専門−20)
会 費 : 無料(非会員:500円)

【要旨】
症例のある方はビデオをご持参下さい。
なお、症例はテーマと関係ないものでもかまいません。
ぜひ、ご参加下さい。お待ちしております。

【問い合わせ先】 
松下 陽子(天理よろづ相談所病院)Tel 0743-63-5611(8989)
mail :cp-us@tenriyorozu-hp.or.jp



心電図定期勉強会(5)  
−房室ブロック−  〔 専門-20 〕

講 師 :未 定  奈良県医科大学附属病院

日 時 :平成20年10月9日(木)18時30分〜20時00分 
会 場 :奈良医大 臨床医学校舎大会議室

担 当 :機能検査分野(生涯教育研修:専門−20)
会 費 : 無料(非会員:500円) 

【要旨】
房室ブロックは不整脈の一つですが、心臓の刺激伝導系において心房と心室との間で生じる伝導遅延や伝導が完全に途切れてしまったことによって起こるものです。症状としては重篤なものもあり、見逃してはならない不整脈になります。よく理解していただく為にも刺激伝導系を復習してきて頂ければより良くわかるようになると思います。

【問い合わせ先】 
吉田 和弘(済生会奈良病院)  Tel 0742-36-1881(334)




21世紀を担う臨床検査技師実践セミナー・2008兵庫
チーム医療実践セミナーのご案内


今回は、糖尿病療養指導、感染対策、栄養アセスメントチームの例年の3セクションの他に、オープン参加形式にした「コミュニケーションのスキルアップ」セクションを企画いたしました。診療に役立つ業務を行うには専門的な検査技術と並んで会話、情報を正しく伝える、正しく受取ることが欠かせないと言われていますので、 “コミュニケーション”を取上げました。是非、参加いただきますようお願い申し上げます。

日 時 平成20年10月18日
会 場 学校法人 兵庫医療大学
参 加 費

1.コミュニケーションスキルアップ 無料 
2.実践セミナー  1000円

申込先 〒545-0051  大阪市阿倍野区旭町1-1-28
大阪府臨床検査技師会内  チーム医療実践セミナー
竹浦久司 q_take@tane.or.jp
振込み先 【郵便振替】 口座番号;14500−20799191
口座名称;近臨技チーム医療推進委員会
締切日 平成20年 9月 30日(火)
担 当
研修会責任者
研修会担当者

<プログラム 10月18日(土曜日)
1. コミュニケーションスキルアップ  9:00〜11:00 公開講座
基礎編 誰も教えてくれなかった、どこでも使えるコミュニケーションスキル
講 師:吉田輝倫(よかと塾 アボットジャパン株式会社)
実践編 糖尿病教育入院パスおける他職種との連携について
講 師:大仲一善(南大阪病院)
2. 実践セミナー各論  事前申込(一部当日申込可)
(1)感染対策部門 15:00〜18:00
テーマ:「検査技師がおさえておくべき感染対策の基礎知識」
(2)NST

15:00〜18:00
テーマ:「肝疾患の栄養療法」 実感しよう!診療に参加する喜び

(3)糖尿病療養指導

15:00〜18:00
テーマ:「行列が出来る糖尿病教室の作り方」


プログラムの詳細および、専用申し込み用紙は、下記ページにございます

チーム医療実践セミナーのご案内
http://www.hamt.jp/kinki48/link/kinki48-teamseminar/main.html




奈臨技経営政策分野長の所属変更

内池 敬男 県立三室病院→奈良県立医科大学付属病院




奈臨技行事予定(9月)


9月

行事(略)

担当

9月

行事(略)

担当

1

 

 

17

 

 

2

腹部超音波定期勉強会

画像
検査

18

 

 

3

 

 

19

臨床化学勉強会(Znの有用性)

臨床
化学

4

睡眠時無呼吸症候群(SAS)

機能
検査

20

グラム染色実技研修会 
初心者コース

感染
制御

5

 

 

21

 

 

6

第3回臨床検査データ標準化勉強会

データ
標準

22

 

 

第13回近畿輸血検査研修会 福井

移植
検査

23

 

 

7

第13回近畿輸血検査研修会 福井

移植
検査

24

 

 

8

 

 

25

 

 

9

 

 

26

呼吸器定期勉強会(2)

機能
検査

10

 

 

27

 

 

11

 

 

28

 

 

12

 

 

29

心臓超音波定期勉強会3

画像
検査

13

 

 

30

 

 

14

 

 

 

15

 

 

16

 

 




連日オリンピック放送と蒸し暑さで少々寝不足の方もいらっしゃるでしょう。
先日の新聞報道で病理組織の取り違えのニュースあり、他人事ではないような気がします。
又、メタボリックシンドローム診断に腹囲測定が開始されるが、腹囲が国際的な診断基準の必須条件から外される事になったそうだ。(8/20 毎日新聞より) 日本も外してほしいと個人的に思うのは私だけであろうか?

名簿作成のための確認のご協力ありがとうございました。   広報一同




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 いつも奈臨技ホームページを、ご愛用頂き有り難うございます。当委員会ではコンテンツ充実に、日ごろ努力しておりますが、学術資料の更なる充実を図るため、論文、勉強会資料、推薦論文とその要旨などの投稿をお待ちしております。さらに、学術リンク集の掲載に向け、優良ホームページの調査も行っております。ご協力をお願い致します。

また、奈臨技ホームページの更新状況などをお知らせする、奈臨技メーリングリストサービスも行っております。ご希望の方は、「配信希望」とお書きになり、下記メールアドレスか、TEL/FAXにてお申し込みください(メールアドレスなど個人情報は厳重に管理いたします)。

インターネット・ホームページ運営委員会

連絡先 大林 準 (天理医学研究所)TEL/FAX 0743-62-0525 E-mail: info@naraamt.or.jp



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