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職場紹介 近畿大学医学部奈良病院

 高部 弘司


 奈良県臨床衛生検査技師会会員の皆様、ご挨拶が遅れまして申し訳ございません。近畿大学医学部奈良病院でございます。

 昨年、平成11年10月、生駒市乙田町に誕生いたしました。もよりの駅は、近鉄生駒線東山駅で、病院へは直通バスが運行しております。

 近畿大学学園施設として、附属病院(大阪狭山市)、堺病院(大阪府堺市)に次ぐ、3番目の病院です。病院棟は、地下1階、地上5階、延床面積40,452m2、また、天然ガスによる自家発電をおこなうエネルギ一センター棟は、地下1階、3,516m2となっています。この建物は、阪神淡路大震災級の地震発生時でも診療が続行できるよう設計されています。さらに、本年2月、奈良県が選ぶ第4回住みよい福祉のまちづくり施設賞優秀賞を受賞しました。これは、全館の床がフラットで、車いす利用者も快適に利用できる明るい談話室、エレべ一タ内の腰掛等利用者に配慮された様々な工夫が評価されたものであります。


 病院の理念は、患者の皆様をはじめ、病院を訪れるすべての方々を心から歓迎し、明るく、的確でスピーディーな対応を実践し、信頼され、愛される「気持ちのいい病院」であります。

 平成12年6月現在、21診療科、25O床、CCU、HCU、ICU、NICUを有する高度医療、第3次救命救急施設で、奈良県小児科輪番体制へも参画しています。また、電子カルテ化を前提に、高度病院情報システムを採用し、オーダ一リングシステムを基幹に、放射線、超音波、内視鏡画像データを含む検査結果の迅速返送や薬待ち時間のない体制が整備されています。

 さて、このような医療体制の中で臨床検査部の基本方針も、患者様にとっては無用な時間待ち、日待ちがなく、診療側にとっては円滑で効率よく、診断、治療ができる、スピーディーで高質の情報提供にあります。

 現在、臨床検査部の構成は病理医1名、臨床検査技師17名で検体検査系12名(うち大学職員3名、院内委託ラボ職員7名、大学定時職員2名(交代))および生理機能検査系5名であります。

 検体検査系は、生化学、免疫、一般、血液、輸血検査を院内委託し、24時間体制で実施しています。院内で実施する基本項目は、迅速30分検査対応としており、スピーディーな診療の一翼を担っています。病理(剖検を含む)、微生物検査および輸血血液管理は、主として大学専任技師が担当していますが、時間外における輸血血液発注、払出および迅速細菌検査等は委託技師の担当としています。また、ICU検査室も大学専任職員が出向しています。臨床検査システムは、オーダーリングシステムを基幹に、自動分注小分け、生化学、血液をはじめ、細菌および輸血検査も含めて構築しています(病理は現在、検討中です)。

 また、検査受付では、ラべル自動貼付された採尿カップおよび採血順番整理券を発行し、現在の採血番号を表示盤に提示することにより、患者様自身で待ち時間の確認ができるように工夫しています。外来中央採血業務は、看護職員を配慮し、適時、技師の応援体制をとっています。

 生理機能検査では、画像系は、心臓(経食道を含む)、腹部(造影を含む)、および表在を主とした超音波検査およびサ一モグラフィ一検査を実施しています。電気生理・呼吸系では、心電図、脳波、誘発電位、神経伝導速度、呼吸機能、電気眼振図等、幅広い業務展開を図っています。生理機能検査システム、は、心電図、超音波では波形、画像をオンラインで、その他はスキャナ取り込みにより報告書とともにオーダー側に返送します。さらに、生理機能担当技師は、循環器内科、小児科担当の心カテ検査にも出向しています。

 大学職員、委託職員を問わず、臨床検査部一同、21世紀の医療、臨床検査の実践に前向きに取り組んでいます。

 皆様のご指導、ご支援をよろしくお願いいたします。

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