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奈臨技ニュース
平成24年 12月号
第223号 2012年 12月 1日




第30回 奈良県医学検査学会のご案内


奈良県臨床検査技師学会会員の皆様、益々ご活躍のこととお喜び申し上げます。

本会は、奈良県の医療を支える臨床検査にかかわり、生化学、血液学、生理学、病理学、細菌学、輸血などさまざまな分野を専門とした会員が500名を超えるまでに発展してまいりました。学会も回を重ね、第30回記念大会を下記の通り開催することになりました。

奈良県医学検査学会では第29回より優秀な演題発表者を会長賞および学術奨励賞として若干名表彰させて頂いております。会員の皆様、奮ってご応募下さいますようお願い申し上げます。

なお、演題申し込み方法等の詳細は奈臨技ニュース 新春1月号でお知らせ致します。

期 日
平成25年5月12日(日)
会 場
奈良県立医科大学 臨床第一講義室
問い合わせ先
第30回奈良県医学検査学会実行委員長 松本 克也(TEL 0742-27-9502 内線191)





第52回 日臨技関西支部 医学検査学会に参加して



第52回日臨技関西支部 医学検査学会が9月29(土)〜30(日)の二日間、和歌山県の南紀白浜コガノイベイホテル、HOTEL古賀の井の二会場で開催されました。一日目に今回初(?)の試みとしてのSweetsセミナーに参加させていただきました。
アミノインデックス癌リスクスクリーニング(AICS)という血液中のアミノ酸濃度を測定し、その増減から健康な人と癌である人のアミノ酸濃度のバランスの違いを統計的に解析することで、癌であるリスク(可能性)を評価するという新しい検査の紹介がありました。早期癌でもリスク値が上昇する場合があり今後癌検診でも有用な検査法かと思いました。

 病理・細胞分野の一般演題数は8題で活発な質疑応答もあり良かったと思いました。教育セッションでは、特殊染色の簡便化と有用性からは、同じ染色性を保つのであればより簡便で迅速な染色方法にという事で、改良した染色法のプロトコールと染色態度を提示して頂きました。又、免疫組織化学の中の酵素抗体法の基本と題して、染色するにあたり重要なポイントを精度管理と含め詳しく解説して頂きました。シンポジウムでは病理・細胞診検査のリスクマネジメントと精度管理というテーマで、規模の異なる2病院と検査センターでの取り組みが事例を含めて紹介され、医療事故が発生した時の対応策の方法も提示して頂きました。それをふまえて、今日の医療安全の考え方と職種間連携というテーマで統括的な立場である医師からの助言、考え方、問題対処法等の講演があり、医療事故は本当に身近に潜んでいるものと、今一度考え直す機会を与えて頂いたと思いました。

 最後になりましたが、暴風雨の中車で送って頂いた方と、帰れますか?送りましょうか?と携帯電話に連絡を下さった方、本当にありがとうございました。温泉に入って身体も温まりましたが、少し心も温まった今回の学会でした。

(県立三室病院 辻野 秀夫)




第39回日本超音波医学会関西地方会学術集会に参加して



 10月6日(土)大阪国際会議場にて開催された第39回日本超音波医学学会関西地方会学術集会に参加してきました。職場でいつも大変お世話になっている消化器内科部長 鍋島紀滋 先生が大会長で、1000人を超える参加者でした。

 超音波検査室に配属されて初めて参加した大きな専門学会で、消化器、循環器、腎・泌尿器、体表臓器の一般演題、シンポジウムと特別企画として「超音波検査のminimal requirement(臨床で役立てるためにこれだけは知っておきたい)」など基礎的なことから専門的なことまで幅広い範囲の内容でした。

私は主に消化器領域の発表を聞いていましたが、どの会場に足を運んでも積極的な質疑応答で、発表の内容だけでなく日頃検査で疑問に思っていること等たくさん討議されていました。先輩方の発表では、発表の内容に加えプレゼンテーションの仕方という意味でもとても勉強になりました。

来年は、私があの場に立てるよう切磋琢磨して日々業務に取り組んでゆきたいと感じました。

(天理よろづ相談所病院 勝田 唯)




平成24年度 施設代表者会議・施設連絡責任者会議合同実施要項について


開催日時 平成25年1月12日(土) 午後3時より
会   場 奈良県立医科大学附属病院 臨床大会議室
講   師 栄研化学株式会社 営業統括部 西村 和久先生
講演内容 「メディカル リスク マネジメント」
参 加 者 施設代表者・施設副代表者・施設連絡責任者




【平成24年度奈臨技公開講演会】〔基礎-20〕



開催日時 平成25年3月3日(日) 午後2時より
場 所 かしはら万葉ホール(ロマントピアホール)
講 演

『物忘れと予防と対策』

− 認知症を知る・予防する・治療する−

岸本 年史 先生(奈良県立医科大学精神医学講座 教授)





☆☆☆ 平成24年度奈臨技公開講演会併設研修会 ★★★



(ランチョンセミナー) 先着100名
日 時 平成25年3月3日(日) 11時30分〜13時30分(11時開場)
会 場 かしはら万葉ホール  4階 研修室2
会 費 無 料
内 容
1.統計 −有意差検定について−  11時30分〜12時15分〔基礎-20〕
_____講 師 :未 定(ロシュ・ダイアグノスティック株式会社)

2.血液(CBC)検査からみた血液疾患 12時25分〜13時25分〔専門-20〕
_____講  師 :中村 文彦 先生(天理よろづ相談所病院 臨床病理部 部長)

要旨

今回、併設研修会では統計と血液検査をとりあげました。

統計では有意差検定を中心にお話ししていただきます。日頃、有意差検定を誤って使用していませんか?この機会に是非、知識の整理を!!

次に、血液検査ではCBCに注目しました。“CBCデータから、患者の状態をいかに推測するか? ”“データの時系列からどのような状態の変化が推測されるか?”など日頃の緊急検査に役立つデータの見方、さらに血液疾患を含め解説していただきます。新人の方は必見です。

問い合わせ 北川 孝道(天理よろづ相談所病院)0743-63-5611(内線8989)


生涯教育研修会のお知らせ



平成24年度一般検査分野サーベイ検討会〔専門-20 〕

講 師 :中村 彰宏 会員 (天理よろづ相談所病院)

日 時 :平成24年12月7日(金)18時30分〜20時00分
会 場 :天理よろづ相談所病院 入院棟南別館4階会議室

担 当 :一般検査分野(生涯教育研修:専門−20)
会 費 :無料(非会員:500円)   

【要旨】
平成24年度一般検査分野サーベイ検討会を開催します。今年は一般検査単独開催です。
今回のサーベイで出題した症例についての解説とそれに関連した最近の話題も紹介したいと考えております。多数のご参加お待ちしております。

【問い合わせ先】
中村 彰宏(天理よろづ相談所病院) Tel 0743-63-5611 (8665)
e-mail:nakamurium_a802@yahoo.co.jp



超音波定期勉強会8「肝内占拠性病変の超音波検査」〔専門-20 〕

講 師 :松下 陽子 会員 (天理よろづ相談所病院)

日 時 :平成24年12月11日(火)18時30分〜20時00分
会 場 :天理よろづ相談所病院 入院棟地下会議室

担 当 :画像検査分野(生涯教育研修:専門−20)
会 費 :無料(非会員:500円)   

【要旨】
今回は、肝臓、特に占拠性病変に対する観察ポイントや検査の進め方について症例を交えてお話しします。
また、定例の症例提示も合わせて行います。多数のご参加をお待ちしております。

【問い合わせ先】
松下 陽子(天理よろづ相談所病院)
Tel 0743-63-5611 (8989)  e-mail: cp-us@tenriyorozu.jp



内部精度管理について〔基礎-20 〕

講 師 :木曽 加奈子 氏(シスメックス株式会社 学術部 精度保証係)

日 時 :平成24年12月12日(水)18時30分〜20時00分
会 場 :国保中央病院 飛鳥ホール

担 当 :生涯教育分野(生涯教育研修:基礎−20)
会 費 :無料(非会員:500円)   

【要旨】
生涯教育委員会の研修会として、今回は内部精度管理について勉強します。
前回に引き続き、今回も期待できる内容となっています。普段あまり馴染みのない方や若手の方々には特にお勧めの内容になると思われます。
多数の参加をお待ちしています。

【問い合わせ先】
吉岡 明治 (天理よろづ相談所病院)
Tel 0743-63-5611 (8989) e-mail:yoshioka1985@hotmail.co.jp



グラム染色実技講習会〔 専門-20 〕

講 師 :微生物研究班スタッフ

日 時 :平成24年12月15日(土)15時00分〜18時00分
会 場 :県立医科大学附属病院 細菌実習室

担 当 :微生物検査分野(生涯教育研修:専門−20)
会 費 :無料(非会員:500円)   

【要旨】
グラム染色検査の有用性は高まっていますが、手技と鏡検は経験と伝達による差が大きい検査です。そこで今回、日常遭遇する頻度の高い菌を主とし症例ごとの柔軟な対応や有用な情報提供をするための技術向上を目指し講習会を開催します。

【問い合わせ先】
福田 砂織 (天理よろづ相談所病院)
Tel 0743-63-5611 (8665) e-mail:tenribaikinman@yahoo.co.jp

注意)募集は終了しています。



血液ガスを学ぼう〔専門-20 〕

講 師 :嶋田 昌司 会員 (天理よろづ相談所病院)

日 時 :平成25年1月11日(金)18時30分〜20時00分
会 場 :天理よろづ相談所病院 入院棟地下議室

担 当 :機能検査分野(生涯教育研修:専門−20)
会 費 :無料(非会員:500円)   

【要旨】 
呼吸器疾患でよく出合う検査データで最もよく目にするのが血液ガスですが、意外と苦手にしている方が多いかと思います。今回は、血液ガスの基本的なことや簡単なデータの読み方を講義していただきます。
この機会にみなさん是非ご参加ください。

【問い合わせ先】
井田 淳 (天理市立病院)
Tel 0743-63-1821 (120)   e-mail:tenriharupapa@yahoo.co.jp


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京臨技臨床化学・免疫研修会のご案内



分 類 : 臨床化学専門20点

日 時 : 平成24年12月 18日(火)18:30〜20:30
会 場 : 京都保健衛生専門学校  視聴覚室
テーマ : 臨床化学検査における代表的検出法および日臨技認証制度について
主 催 :  (社)京都府臨床検査技師会

演題 1:「過酸化水素/POD系およびNADH/脱水素酵素系の基本」   50分
演題 2:「日臨技精度保証認証制度とISO15189、CAP認定との違い」  60分




 

平成24年度 日臨技関西支部 臨床化学研修会


主 催:一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
実務担当技師会:一般社団法人 和歌山県臨床検査技師会

テーマ 『 データの見方・考え方 』

日時:平成25年2月3日(日) 10:00〜16:00
場所:和歌山県立医科大学  生涯教育センター3階 和歌山市紀三井寺811-1
定員:80名
受講料:3,000円(参加費・テキスト代・昼食代込)


内容
講演1「血液ガスのデータについて」    10:00〜10:45   
講演2「臨床医からみたデータの使い方1」
    11:45〜12:35    講演3「臨床医からみたデータの使い方2」
    13:20〜14:05    講演4「NSTにおけるデータの使い方」
    14:10〜15:00    講演5「相談のできる検査技師」
    15:05〜15:55   




<2012年データーを読む (2)解説編 >



2回目の症例の解説です。

1.病歴と検査所見からどのような病態を考えるか。

 病歴の特徴は,慢性に経過している浮腫と全身倦怠感である。一方,検査所見で目につく異常データは,総コレステロールの増加,著明なアルブミン減少とα1およびα2−グロブリンの増加,そして高度の蛋白尿と血尿である。

 本項の目的は検査の読み方を学習することなので検査から病態を紐解いてみよう。異常データのうち注目すべきは,著明な低アルブミン血症と高度の蛋白尿である。尿試験紙はアルブミンを検出する検査であるため,蛋白尿と言っても実際にはアルブミンが尿中に多量に排泄されていることを示している。すなわち,尿中への多量のアルブミン排泄のために低アルブミン血症になったものと判断され,ネフローゼ症候群が容易に診断できる。

 ネフローゼ症候群とすると,コリンエステラーゼや総コレステロールの増加は,肝臓でのアルブミン合成亢進に伴う酵素や脂質の合成亢進に合致する。またα1およびα2−グロブリンの増加は分子量の大きなマクログロブリンの排泄障害があることを示している。いずれも典型的なネフローゼ症候群の検査所見である。

 血尿の存在は,ネフローゼ症候群の原因として糸球体腎炎を念頭に入れておくべきである。また蝋様円柱が見られるが,これはネフローゼ症候群に極めて特異性の高い所見であり診断的価値が高い。

2.次にどのような検査を行うべきか。

1)腎生検
 ネフローゼ症候群の原因診断と予後推定に必須の検査である。生検によって得られた組織は,ヘマトキシリン・エオジン染色標本による原因診断の他に,蛍光抗体法による補体成分や免疫グロブリンの沈着の有無と種類,そして電子顕微鏡による糸球体障害(特に基底膜の障害)の詳細な把握に用いられる。呈示例は生検にて微小変化群と診断された。

2)尿蛋白一日排泄量
 尿蛋白の一日排泄量が多いほど重症と判断される。治療のモニターにも用いられる。

3)選択指数
 本来,糸球体基底膜における蛋白の選択性は,分子量の異なる種々の蛋白のクリアランスをプロットし,その傾きから評価するが,多くの時間と費用を要する。このため高分子のIgG(分子量約160,000)と低分子のトランスフェリン(77,000)のクリアランス比(CIgG/CTf)を選択指数として代用する。この選択指数はネフローゼ症候群の微小変化群におけるステロイドホルモン治療の効果の推定に有用とされ,0.2以上の場合は効果不良と推定される。呈示例は選択指数0.18で効果が期待され,実際順調に軽快した。

4)尿中赤血球形態の観察
 尿中赤血球の形態を顕微鏡で観察し,変形赤血球が多く見られる場合は糸球体性の血尿と診断される。呈示例は約8割が変形赤血球であった。

メモ:ネフローゼ症候群に特異性の高い円柱
 ネフローゼ症候群に特異性の高い円柱は,脂肪円柱(写真左)および蝋様円柱(写真右)である。円柱ではないが,卵円形脂肪体も特異性が高い。ただし,これらのいずれかが見られるのはネフローゼ症候群の約半数例である。

///

(天理医療大学 医療学部 松尾 収二)




奈臨技行事予定(12月)


行事参加前には当ホームページで変更の有無をご確認下さい。

12月

行事(略)

担当

12月

行事(略)

担当

1

 

 

16

 

 

2

奈良糖尿病デー2012

 

17

 

 

3

 

 

18

 

4

 

 

19

 

5

20

6

 

 

21

 

 

7

ボウリング大会

22

 

一般検査分野サーベイ

一般検査

23

8

 

24

9

25

10

 

26

11

超音波定期勉強会8

画像検査

27

12

内部精度管理について

生涯教育

28

13

第8回理事会

29

病理、細胞診サーベイ

病理検査

30

14

不整脈の非薬物療法

機能検査

31

15

グラム染色実技講習会

微生物




今年も残りわずかになってまいりました。

12月になると、忘年会や納会が行われますが、宴会の終わりに3本締めや1本締めで宴会をお開きにするところも多いのではないでしょうか。

何気なく他の人に合わせて打っている手締めですが、よく行われているのが「江戸手締め」と言われるもので、手打ちが「3回3回3回」「1回」(1本締めはこれを1回、3本締めは3回行います)3が3回で九に、1回のてんが入って「丸」く納まると言われており、手打ちの前の「イヨ〜オ!」の掛け声は祝おうが転じたものなんだとか。

そもそも手締めとは、いろいろな行事がトラブルなく無事終了したことの締め括りに「四方八方丸く納めましょう」という願いと「めでたく無事に納まりました」と礼をこめて行われます。

皆様の御手を拝借して、今年一年を丸く納めましょう。「イヨ〜オ!」

健康にお気をつけて良い年をお迎えください。                                  

広報委員:西川 香奈子
広報委員:勝田 唯




* 奈臨技IT委員会からのお願い *

 奈臨技ホームページを、ご覧頂き有り難うございます。当委員会ではコンテンツ充実に、日ごろ心掛けておりますが、学術資料の更なる充実を図るため、論文、勉強会資料、推薦論文とその要旨などの投稿をお待ちしております。さらに、学術リンク集の掲載に向け、おすすめホームページの調査も行っております。ご協力をお願い致します。

また、奈臨技ホームページの更新状況などをお知らせする、奈臨技メーリングリストサービスも行っております。ご希望の方は、「配信希望」とお書きになり、下記メールアドレスか、TEL/FAXにてお申し込みください(メールアドレスなど個人情報は厳重に管理いたします)。

奈臨技IT委員会

連絡先 大林 準 (天理医学研究所)
(申し訳ありませんが、FAXか電子メールにてお願い申し上げます) 
FAX 0743-63-5611    e-mail::: info@naraamt.or.jp



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