第15回日本検査血液学会学術集会が平成26年7月20日・21日の2日間にわたり、仙台国際センターにて開催されました。前日から仙台に入ると空港で奈良の技師の方々に遭遇し思わずここは奈良なのかと錯覚するほどでした。一日早く入ったので、せっかく仙台まで来たので青葉城(仙台城)を観光してきました。天候は激しい雨で、伊達政宗騎馬像が建つ天守台からの仙台市内の一望を楽しみにしていましたが、それはかないませんでした。
今年のテーマは「理論と経験に基づく検査血液学」で、様々な企画が準備されていました。この学会のプログラムでは、一般演題167,特別講演2,教育講演4,シンポジウム2,ワークショップ2,テクニカルセミナー2,ランチョンセミナー10,イブニングセミナー2とたくさんの演題があり、どれに参加するかとても悩みました。この学会に参加するのは3回目ですが、いつ来ても学会の参加者の熱心さに驚かされます。抄録を片手に聞きたい演題へと向かう人の多さや、形態カンファレンスの予約を取るための行列を見ると参加者の真剣さが伝わってきました。
形態から学ぶ顆粒球系細胞分化とその異常〜白血病・MDS早期発見のポイント〜の講演では、造血幹細胞は骨の奥にいて放射線と酸素に弱いという話はとても興味深い内容でした。造血幹細胞に放射線や酸化とストレスが加わると、染色体転座・遺伝子欠損・点突然変異になりCML・AML・MDSを引き起こすという話をされていました。放射線の影響について話をされていたので、福島の原発事故を思い出し、とても恐ろしいことだと思いました。
テクニカルセミナー「どうしますか?血液検査の異常値に遭遇した時」では、RBC、Hb、PLTの異常、末梢血液像で芽球の出現、PT・APTT、FDP・DDの異常値に遭遇した時の対応について、いろいろな症例を提示していただき、これからの日常業務の参考にしたいと思います。
ランチョンセミナーの仙台名物牛タン弁当のごとく、2日間にわたり血液検査について牛(ギュウ)・牛(ギュウ)に詰まった中身の濃い学会で血液検査を担当されている会員の方は、是非とも参加して頂きたいです。
最後に学会で学んできたことを日ごろのルーチン業務でいかしていきたいと思います。