●はじめに

病理研究班は、病理組織検査技術の向上、参加各施設間の交流を目的として活動しています。病理検査は、標本の切り出しに始まり、包埋作業、薄切、染色の過程を経て標本が出来上がります。しかしその標本は病理医がより正確に診断を下せるように作製しなければなりません。一種「職人技」と言った技術を要する検査です。その為か、班員は、職人さん気質をもった方が多いように思われます。今日の検査技術の進歩はすさまじく、病理検査の分野にも、新しい検査法がどんどん取り入れられています。たとえば、悪性リンパ腫の診断に用いられるフローサイトメトリー法、菌を同定するPCR法、ウイルスや細胞増殖因子の同定に用いるIn situ hybridization(ISH)法などがあります。当研究班では、これら最新の技術をテーマとして研修会を開催しています。また、精度管理事業として、技術の取得と向上を目的とした特殊染色による施設間の染色性の差異並びに問題点について検討しています。年に1回程度ですが、臨床医、病理医を招いて講演会も開催しています。参加施設は、1,2人の少人数の所から病理検査を専門にやっておられる施設まで様々で当研究班は、各施設間の交流を深める場として、また検査に関する様々な悩みや、問題点を解決出来る場とっています。皆様も気軽に研究班活動にご参加下さい。

●研究班紹介

研究班長 山川 昭彦 奈良県立奈良病院 中央臨床検査部                   
精度管理委員 辻野 秀夫 奈良県立三室病院 中央臨床検査部
参加施設(順不同)
天理よろづ相談所病院 近畿大学医学部奈良病院
奈良県立医科大学付属病院 高田市立病院
奈良県立医科大学第二病理学教室 奈良社会保険病院
平和会吉田病院 奈良県立三室病院
奈良市総合医療検査センター 奈良県立奈良病院
国立奈良病院       

●平成13年度活動方針

平成13年度の病理検査研究班の活動予定は、講習会1回、講演会1回を開催する予定です。今年度は、検査技術の習得に重点を置き、ルーチン業務の検査法から、最新の検査法まで班員の方が興味を持っていただけるものを企画していきます。また、他の研究班との合同講演会を予定しており、日頃接する機会の少ない病理以外の研究班の方々との交流の場になればと考えます。本年は、近畿病理細胞診検査学術研修会の担当に当たっており班員皆様のご協力、研修会への参加をお願いします。精度管理事業としては「グリメリウス染色」を行う予定です。当研究班は奈臨技統一サーベイには参加していませんので研究班活動の中でのみの実施となりますので是非ご参加下さい。最近参加者が固定化してきており、減少傾向にあります。こちらの運営上の問題であるかもしれませんが、新しい方に積極的に参加していただき今後の活動についてご助言いただければと考えます。班員皆さんの活動への参加をお願いします。

●今後の活動予定
3月23日(土) PM3:00〜PM5:00 (病理・微生物合同講演会)
日程が変更になりました。ご注意ください。
主題 「病理からみた感染症検査(染色法とその所見から得られるもの)」
会場 奈良医大付属病院 中検技局
講師 真田 浩一氏(兵庫県立塚口病院)
内容 近年、臨床検査においても各検査分野の境界が必ずしも明確ではなくなってきました。病理検査・細菌検査においても顕微鏡下の所見より得られる情報の有用性は同様と思われます。今回の、合同研究班では「病理からみた感染症検査(染色法とその所見から得られるもの)」と題して、日常の検査業務において共通の検査材料より、それぞれ異なった視点で導き出していた結果を、病理と微生物の担当者間で情報交換が出きればと考え企画しました。真田浩一講師のプレゼンテーションの後、盛んなフリー討論を行いたいと思いますので、多数の参加をお願いいたします。

過去の活動報告
平成10年度よりの活動報告をご覧になれます。

精度管理事業報告
平成10年度よりの精度管理事業報告をご覧になれます。

●連絡先
内容等に不明な点、研究班への要望等がございましたら下記までご連絡下さい。
班長 山川 昭彦 県立奈良病院 中央臨床検査部

0742-46-6001 内線(2357)
pw-nara@muc.biglobe.ne.jp
精度管理委員 辻野 秀夫 県立三室病院 中央臨床検査部

0745-32-0505 内線(2241)
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