病理研究班は、病理組織検査技術の向上、参加各施設間の交流を目的として活動しています。病理検査は、標本の切り出しに始まり、包埋作業、薄切、染色の過程を経て標本が出来上がります。しかしその標本は病理医がより正確に診断を下せるように作製しなければなりません。一種「職人技」と言った技術を要する検査です。その為か、班員は、職人さん気質をもった方が多いように思われます。今日の検査技術の進歩はすさまじく、病理検査の分野にも、新しい検査法がどんどん取り入れられています。たとえば、悪性リンパ腫の診断に用いられるフローサイトメトリー法、菌を同定するPCR法、ウイルスや細胞増殖因子の同定に用いるIn situ hybridization(ISH)法などがあります。当研究班では、これら最新の技術をテーマとして研修会を開催しています。また、精度管理事業として、技術の取得と向上を目的とした特殊染色による施設間の染色性の差異並びに問題点について検討しています。年に1回程度ですが、臨床医、病理医を招いて講演会も開催しています。参加施設は、1,2人の少人数の所から病理検査を専門にやっておられる施設まで様々で当研究班は、各施設間の交流を深める場として、また検査に関する様々な悩みや、問題点を解決出来る場とっています。皆様も気軽に研究班活動にご参加下さい。
平成13年度の病理検査研究班の活動予定は、講習会1回、講演会1回を開催する予定です。今年度は、検査技術の習得に重点を置き、ルーチン業務の検査法から、最新の検査法まで班員の方が興味を持っていただけるものを企画していきます。また、他の研究班との合同講演会を予定しており、日頃接する機会の少ない病理以外の研究班の方々との交流の場になればと考えます。本年は、近畿病理細胞診検査学術研修会の担当に当たっており班員皆様のご協力、研修会への参加をお願いします。精度管理事業としては「グリメリウス染色」を行う予定です。当研究班は奈臨技統一サーベイには参加していませんので研究班活動の中でのみの実施となりますので是非ご参加下さい。最近参加者が固定化してきており、減少傾向にあります。こちらの運営上の問題であるかもしれませんが、新しい方に積極的に参加していただき今後の活動についてご助言いただければと考えます。班員皆さんの活動への参加をお願いします。