「DRG/PPSについて」−包括医療費制度と検査−(1/6)

 日 時  :  平成11年 6月 19日(土)
 主 催  :  奈良県臨床衛生検査技師会・合同研究班講演会

 今日,国民総医療費総額が1998年に29兆円を超え1999年には30兆円,2010年には54兆円にも達すると予想され、行政課題が医療費削減に置かれました。その具体的な医療費削減策は薬価基準の変更・診療報酬における老人医療制度の変更、また検査においては検体検査実施料(現在は出来高払い制度)の見直し等であります。2000年の医療保険制度(介護保険制度など)の抜本改革や第4次医療法改正とそれに続く日本版DRG(Diagnosis Related Groups疾患別包括医療制度)の実施(予定)等の医療制度改革など,医療を取り巻く環境が急速に変化してきており検査への影響は多大なものになると予想されます。
今回、DRG・PPSとは何なのかどうゆうものなのか、またどのように臨床検査に影響を及ぼすのかを考えながら数年後(5年?)に導入される日本版DRGについて講演会を行いました。


内容
(1)21世紀の国民医療は
(2)DRG/PPS(診断群別包括支払い方式)
(3)クリテイカル・パス
(4)EBM:Evidence Based Medicine
(5)我が国でのDRG/PPS試行
(6)今後のDRG/PPSの病院経営

  表1 国民医療費の推移

年度 (百億円) 伸び率(%) (百億円) 伸び率(%) 老人医療費の割合 (百億円) 伸び率(%)
S48年 395 43 10.9 9583
53年 1000 61 160 272 15.9 17177 10.3
58年 1454 31 331 107 22.8 23080 5.2
63年 1876 22 516 56 27.5 30138 6.2
H1年 1973 5 556 8 28.2 32214 6.9
2年 2061 4 593 7 28.8 34573 7.3
3年 2183 6 641 8 29.4 36305 5
4年 2348 7 694 8 29.5 36908 1.7
5年 2436 4 745 7 30.6 27246 0.9
6年 2573 6 816 10 31.7 37377 0.4
7年 2700 5 894 10 33.1 38021 1.7
8年 2860 6 972 9 34 39255 3.2
9年 2910 2 1019 5 35 39760 1.3
10年 2922 0.2 1056 2 36 40540 2
11年 3010 3 1121 6.2

(1)21世紀の国民医療は


 1医療提供体制(国民に開かれた医療提供の実現)
 2薬価制度の改革
 3新しい診療報酬体系の構築
 4高齢者医療保険制度
 5医療費適正化の推進

 のようなことが行われるであろうと予測されます.

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