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ペット?それとも家族?

(株)メディック 別所 直子

 皆さんは御自宅にぺットを飼っておられますか?

 私の家には一匹の猫がいます。名前はチャコといいます。ちょうどチャコが私の家に来たころ、サザンオールスターズの「チャコの海岸物語」がヒットしていてそこから名前をつけました。そうなんです。この曲がヒットしていた頃…約19年前…、チャコはもう19年以上も私の家で一緒に生活しているんです。

 チヤコは、当時近所に住んでいた人の家で5匹の兄弟と共に生まれました。そのうち1匹をもらうことになったのですが、他の4匹は黒い猫だったのにチヤコだけは白とグレーのツートンカラーで、目がクリクリとしていてとてもかわいく、5匹のなかからすぐにチヤコをもらうことに決めたのでした。その時は、まさかこんなに長い時間をチャコと過ごすことにごなるとは思っていませんでした。

 その19年間には、私の家でも大きな変化がいくつもありました。チャコが来て半年後、父が脳溢血で他界しました。私はまだ高校1年生で脳溢血という突然の父との別れにまったく心の準備など出来ているわけがなく、全てがドラマのなかの出来事のようで皆が泣いているのに何故か涙が出てきませんでした。母と姉が病院から父を連れて帰ってくるのを家で待っている時、チャコが私の膝にきて座りこみました。その温かさを感じたとたん、涙があふれ出て、チャコを抱きしめてしばらく泣いていました。

 それからしばらくの時が過ぎ、姉が結婚することになって家を離れました。とは言っても、同じ市内に嫁いだので、うるさいくらいに度々家にも顔を出すので、きっとチャコも姉がいなくなったとは感じていないと思います。

 そして、母と私が昼間仕事をしている間、チャコと二人で家を守ってくれていた祖母が91歳で亡くなりました。チャコは一人で留守番をしなくてはいけなくなり寂しそうでした。

 そのうちに、我が家ににぎやかな声が飛び込んでくるようになりました。二人の、私にとっては甥っ子が、姉、義兄と共に我が家に度々出現するようになりました。チャコはこの二人の甥っ子が苦手です。きっと、うるさいくらいに追いかけ回され、いったん捕まるとなかなか離してもらえず、いいようにオモチャにされるからでしょう。玄関でこの二人の声がすると、チャコは一目散にどこかへ姿を隠してしまうのです。(でも、結局最後には捕まってしまうのですが…)

 そんなチャコも、去年くらいから目に見えて弱ってきてしまいました。昔ほどは食べなくなり、外へもあまり出たがらないし、目もショボショポして見にくそうです。一日の大半を寝て過ごすようになりました.もう19年も生きてきたのだから仕方ないのですが、チャコと別れなければならない日が近づいてきているようです。もうこれだけ長い年月を一緒に過ごすと、私にとっても母にとってもチャコはぺットではなくなっています。学校や職場で、イライラしたり落ち込んだりしても、家に帰ってチャコに「ただいま」と言って頭をなでるだけで気分が落ちつき元気になれます。チャコは、我が家の大事な家族の一員です。まだまだ頑張って20年・25年と長生きして欲しいと思っています。

最後に…、『チャコ、ありがとう。これからもよろしくね。」

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